●アンジェス(株):2024/03/27 08:48
慢性椎間板性腰痛症を対象とした、NF-κBデコイオリゴDNAの米国における後期第1相臨床試験については、2021年4月にトップラインデータとして発表されています。治験結果については、6ケ月間に続き12ヵ月間の観察期間を通しても重篤な有害事象は認められず、安全性が確認され、有効性についてもデータを分析した結果、投与早期に腰痛は大幅に軽減し腰痛の抑制は投与12ヵ月後まで継続したことが確認されています。
この結果を踏まえて、アンジェスは2023年1月30日に「日本国内にも慢性椎間板性腰痛の患者は多く、国内において製品化した場合に事業性を見込める」として、国内での第2相臨床試験の実施を決定しています。続く3月にはNF-κBデコイオリゴDNAの国内第2相臨床試験への協力に関する塩野義製薬との契約締結を発表しています。
米国での後期第1相臨床試験の最大投与量は10mgでしたが、国内での第2相臨床試験の実施にあたっては、更なる効果を高めるために投与量を20mgとする取り組みを実施するために、92例のうち始めの2例で安全性を確認する取り組みが昨年10月18日から開始されましたが、2023年11月29日に独立データ安全性モニタリング委員会から、既投与2例の安全性が確認さたことが報告されています。
この結果をふまえ、日本国内における第Ⅱ相臨床試験の対象者は18~75歳で3ヶ月以上持続する腰痛を有し、腰痛のNRSスコア(自己申告による痛みの指標)が臀部痛や下肢痛のNRSスコアよりも大きく、腰痛に対する保存的治療で効果が不十分な患者とすることが確認されています。
また、第Ⅱ相臨床試験のプロトコールは、最初の2例を含めて、10mg群、20mg群、プラセボ群の3群(各30例)に分類して92例の比較試験を実施することになっています。観察期間は12ヶ月間で、有効性評価については「痛み」の指標となるNRSスコアの変化を見ることになっています。
国内第2相臨床試験については、東海大学医学部付属病院、順天堂医院、神戸大学医学部附属病院、NTT東日本関東病院、日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院、岐阜市民病院、三重大学医学部附属病院、和歌山県立医科大学、富山大学附属病院をはじめ全国17カ所の医療機関の協力を得て実施されるとのことです。