●アンジェス(株):2024/02/02 09:07
慢性椎間板性腰痛症を対象とした治療用NF-κBデコイオリゴDNA(AMG0103)による米国における後期第1相臨床試験は、2021年4月にトップラインデータとして発表されています。治験結果については、投与後の観察期間6ケ月間に続き、12ケ月間を経た結果でも、患者の忍容性は高い上、重篤な有害事象も認められず高い安全性が確認され、有効性についても投与後早期に腰痛が大幅に軽減し、腰痛の抑制効果も投与12ヶ月後まで継続したことが確認されています。
この結果に対して、山田社長は「この試験結果は、AMG0103を椎間板内に1回投与することで、腰痛を安全かつ持続的に改善できることを示していますし、そのことは患者さんのQOLの向上に寄与するものと考えます。 今後、私たちは、世界中の規制当局から販売承認を取得するために、今回の結果を検証する臨床試験を継続していく予定です。」と語っています。
アンジェスは2023年1月30日に、「日本国内にも慢性椎間板性腰痛の患者は多く、国内において製品化した場合に事業性を見込める」として、国内での第2相臨床試験の実施を決定し、続く3月にはNF-κBデコイオリゴDNAの国内第2相臨床試験への協力に関する塩野義製薬との契約締結を発表しています。
国内における治験の取り組み状況ですが、92例のうち始めの2例で20mg投与の安全性を確認するための取り組みが昨年10月から行われてきましたが、2023年11月に独立データ安全性モニタリング委員会から、既投与2例の安全性が確認さたとの報告を受けています。
既投与2例の安全性が確認されたことで、NF-κBデコイオリゴDNAによる第Ⅱ相臨床試験も本格化していくと思いますが、これまでに東海大学医学部付属病院や順天堂医院、神戸大学医学部附属病院をはじめ、全国17カ所の医療機関の協力を得て実施されることが確認されています。
なお、フィスコ客員アナリストの佐藤譲氏が今年1月15日に配信したアンジェス Research Memo(5)のレポートによると国内第2相臨床試験の「対象者は18~75歳で3ヶ月以上持続する腰痛を有し、腰痛の自己申告による痛みの指標であるNRSスコアが4~9の患者で、腰痛に対する保存的治療で効果が不十分な患者とする」とのことです。