●アンジェス(株):2024/02/25 01:10
「e」さんへ。
高血圧ワクチンの治験結果については、2021年7月に、日本高血圧学会の学会誌「高血圧研究(Hypertension Research)」に掲載された経過があります。
論文の要旨は、安全性に問題がなく、DNAワクチンを投与した患者では、特に高用量群で抗アンジオテンシンⅡ抗体の産生が多く認められ、同ワクチンに対する忍容性は良好との結果を得ることができたとされています。ただ、治験結果については被験者ごとに抗体価にバラつきがあるため、今後はプラスミドDNAの発現量を増やすなどの技術的な改善を図っていく必要があるとされています。
アンジェスからはその後、「新型コロナウイルスのDNAワクチンとは異なるプラスミドDNAの発現に関する改善策などの検討を進めてまいります」と、報告されていますが、それ以降の進展については、現段階では報告されていない状況です。
次に、アンジェスが掲げた500億円の売り上げについてですが、これは2015年の時期に打ち出した「2025年ビジョン」に関係していると思います。2025年ビジョンでは、HGF遺伝子治療薬などの遺伝子医薬の実用化によって新たな市場を創出し、売上高500億円以上の企業に成長するように描いています。
しかしながら、コラテジェンについては米国におけるHGF遺伝子治療薬の臨床試験の進展等が2025年ビジョン策定時よりも遅れていること、及び国内での取り組みについては、「十分な知識・治療経験を持つ医師のもとで、創傷管理を複数診療科で連携して実施している施設で使用すること、そして 本品を使用する症例全例を対象として製造販売後承認条件評価を行うこと」が条件として出されることから、2025年ビジョンの中で、2019年を目途に黒字化を描いていたことが困難と判断し、 2019年2月1日に発表した2018年12月期決算短信の中で、2025年ビジョンについては取り下げると発表しています。
アンジェスは黒字化の目途として、2020年代後半にはと語っていますが、そのキーポイントとしてはコラテジェンの条件解除に向けた本承認が取得できるかどうかにかかっていると思います。国内承認があってこそ、海外展開の道が開かれると思いますので。