●アンジェス(株):2024/02/21 09:57
川崎市殿町3丁目にある川崎生命科学・環境研究センターに旧衛生検査所を開設したのが2021年4月ですが、その後、名称をアンジェスクリニカルリサーチラボラトリー(ACRL)と変更し、「希少疾患の医療と研究を推進する会」から有償のオプショナルスクリーニングを受託してきました。2022年には検査件数が約1万件、2023年は2万件と検査の受託数が増加し、手数料収入として1億15百万円(同60百万円の増加)を計上しています。
ACRLは希少遺伝性疾患の検査を主目的にした検査所ですが、開設以来2年10ヶ月間の取り組みの中で、希少疾患に携わる医療関係者の方々から、オプショナルスクリーニング検査で疾患の疑いがある場合、その病気の原因となる遺伝子変異の有無を確認する確定検査が、別の検査機関で調べなければならず大変なので、遺伝学的検査も一括して受託できる体制を作ってほしいという要望が寄せられていました。
その要望に応えるためには、希少遺伝性疾患の確定のために新規検査機器の購入を含めて遺伝学的検査のための技術対応が必要となりますが、事業収益性が見込めないなどの理由もあり、遺伝学的検査を含めて一つの検査機関で実施しているところが少ないのですが、アンジェスは遺伝性疾患に取り組んでいる医療関係者の要望に応えて、2024年前半からは受託を開始する体制を整え、他の医療機関や自治体の問い合わせに対応するための、昨年7月から専用窓口を開設して対応に当たってきました。
なお、これまで有償のオプショナルスクリーニング検査の対象であった脊髄性筋萎縮症と重症複合免疫症の2つの難病については、地域的な取り組みにバラつきがあることから、公費が負担するマススクリーニング検査対象に加えることが国の方針として固まり、自治体による公費負担の検査がスタートすることになっています。
結果的には、有償のオプショナルスクリーニングの検査対象が9疾患から7疾患となるわけですが、2024年1月18日にゾキンヴィの国内販売が承認されたことから、その対象疾患である乳児早老症であるハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群とプロセシング不全性プロジェロイド・ラミノパチーを、2024年の春からオプショナルスクリーニング検査の対象に加えるべく準備を進めています。