●アンジェス(株):2023/07/14 08:54
2021年4月に川崎生命科学・環境研究センターに開設された旧衛生検査所は、2022年2月に「アンジェスクリニカルリサーチラボラトリー(ACRL)」と名称が変更され、各自治体が公費で実施しているマススクリーニング検査(20疾患を対象)以外の希少遺伝性疾患について、「⼀般社団法人:希少疾患の医療と研究を推進する会」が提供する有償オプショナルスクリーニング検査を受託しています。
山田社長は、今年3月に開催された第24期定時株主総会終了後の会社説明会で、アンジェスクリニカルリサーチラボラトリーの取り組み状況について、次のように話しています。
「ACRLは希少疾患性の検査を受託しており、現在、首都圏の新生児の遺伝性疾患の有無を調べる有償検査を実施しております。2021年4月に開始してから、わずか1年半の経過ですが、現在は1年間で1万件の検査を受託するところまできました。ACRLは、他の検査所では検査できない疾患も検査項目に含まれているため、各地の自治体や企業から、検査の委託先として問い合わせを戴いております」と。
この有償オプショナルスクリーニング検査は、生後間もない乳児から採血して希少遺伝性疾患の有無の可能性を調べ、発症前の早期段階から治療を始めることで、症状の進行を抑える効果が期待されていいます。検査件数は連携医療機関の増加や認知度向上もあって年々増加傾向にあり、2020年度は約1万2000人でしたが2022年度は約1万8000人のが検査を受けています。このうちアンジェスクリニカルリサーチラボラトリーで約1万人分を受託しています。
希少疾患の医療と研究を推進する会(CReARID)の資料によれば約1万8000人の検査のうち要検査判定が出たのは26件で、その後の精密検査で5件が確定診断されています。オプショナルスクリーニング検査は、治療法があることが前提となっていますが、現在の検査項目は9症例が対象になっています。
なお、早老症治療薬ゾキンヴィについては、2023年3月28日に厚生労働省により希少疾病医薬品(オーファン・ドラッグ)に指定されましたが、5月12日にゾキンヴィの製造販売承認申請を行っています。 ゾキンヴィが国内承認されれば、その対象疾患も有償検査の対象になり、検査対象が拡大することになります。