●アンジェス(株):2024/02/05 08:36
現在、地方自治体の事業として、出生したすべての新生児に対して特定の遺伝性疾患の可能性を検査する新生児マススクリーニングが無償で提供されています。
「こども家庭庁」は、有償のオプショナルスクリーニングの検査対象であった脊髄性筋萎縮症と重症複合免疫不全症の2つの難病については地域的な取り組みにバラつきがあることから、公費が負担する新生児マススクリーニング検査対象に加える方針を固め、実施が可能となった地域から検査をしていくことにしています。この二つを加えると自治体が実施する公費負担の検査対象は22症例となります。
しかし、希少遺伝性疾患は、マススクリーニング検査の対象疾患が全てではなく、それ以外の疾患でも、検査方法や治療方法が確立している疾患もあり、希望者に対して実施されているのが有償オプショナルスクリーニング検査です。これまでは9疾患が対象でしたが、脊髄性筋萎縮症と重症複合免疫不全症の二つの疾患が、自治体の検査対象となれば7疾患となります。
アンジェスが希少遺伝性疾患検査を目的としたアンジェスクリニカルリサーチラボラトリー(ACRL)を開設して、2年10ヶ月ほどが経過しましたが、この間の取り組みの中で、希少疾患に携わる医療関係者の方々から、スクリーニング検査と、遺伝学的検査を一括して受託できる体制を作ってほしいという要望が多く寄せられていたことから、アンジェスはその要望に応えて希少遺伝性疾患の確定のために新規検査機器を購入し、遺伝学的検査のための技術対応を完了し2023年冬には受託を開始する体制ができています。
遺伝学的検査とはスクリーニング検査の結果で疾患の疑いがある場合、その病気の原因となる遺伝子変異の有無を確認することで該当の疾患かどうかを調べる確定検査のことですが、その検査体制の確立と合わせて、他の自治体や医療機関からの問い合わせがあることから、2023年7月に拡大新生児スクリーニング検査の問い合わせ窓口を開設して対応して来ました。
また今年1月18日、ゾキンヴィの国内販売が厚生労働省から承認されたことから、その対象疾患である乳児早老症であるハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群とプロセシング不全性プロジェロイド・ラミノパチーを、2024年の春からオプショナルスクリーニング検査の対象に加えるべく準備を進めています。