●アンジェス(株):2024/02/16 08:37
新生児の希少遺伝性疾患の検査には、以下のような三つの検査があります。
一つは、新生児に遺伝性疾患の可能性があるかを検査するスクリーニング検査がありますが、このうち地方自治体の事業として、出生したすべての新生児に対して特定の遺伝性疾患の可能性を検査する無償の新生児「マススクリーニング検査」と、希望者による有償の「オプショナルスクリーニング検査」があります。
二つ目は、スクリーニング検査で疾患の可能性があると判断された場合に、疾患の有無を確定させる「遺伝学的検査」があります。
三つ目は、遺伝学的検査を受けて確定した疾患に対する治療開始後、治療の効果・改善状況を判断するためのモニタリング検査である「バイオマーカー検査」の大きく3つに分けられます。
アンジェスクリニカルリサーチラボラトリー(ACRL)は川崎生命科学・環境研究センターに開設した旧衛生検査所の名称を変更したものですが、これまで「希少疾患の医療と研究を推進する会」(CReARID)からオプショナルスクリーニングを受託し、年間約1万件の検査を実施してきました。
ACRLでは開設した2021年4月以降、2年数ヶ月間のオプショナルスクリーニングの受託を通して、国内にはスクリーニング検査と遺伝学的検査を一括して受託できる検査体制がなく、各検査を異なる検査所に依頼しなくてはならないため、希少疾患診療に携わる医療関係者に大きな負担となっていることから、一括して委託できる体制を作ってほしいという要望が寄せられてきました。ACRLでは遺伝学的検査(確定検査)の検査機器の導入と併せて検査技術を確立し、受託できる体制を整え、確定検査までをワンストップで提供できる体制を確立してきました。
今年2月9日に発表された2023年12月期決算短信では「ACRLにおいては、一般社団法人希少疾患の医療と研究を推進する会が展開する拡大新生児スクリーニングであるオプショナルスクリーニングを受託しており、前年同期に比べ受託数が順調に増加していることから手数料収入として1億1500万円(同6000万円の増加)を計上いたしました。ACRLでは、2023年7月には拡大新生児スクリーニングの問い合わせ窓口を開設し、2024年度から各地の自治体や関係機関からの新たな受託を目指しております。」と取り組みが紹介されています。