●アンジェス(株):2023/11/17 10:10
HGF遺伝子治療用製品コラテジェンはアンジェスが設立以来手がけてきた主力のプロジェクトであるだけに、本年5月31日に条件解除を求める本承認の申請の審議結果がどの様な結果となるかは、今後のアンジェスの進路にとって大きな意味を持つものと思います。
条件及び期限付き承認のもとにおける販売は慢性動脈閉塞症に関する十分な知識・治療経験を持つ医師のもとで、創傷管理を複数診療科で連携して実施している施設で使用し、かつ製造販売承認申請までの期間中は、本品を使用する症例全例を対象として製造販売後承認条件評価を行うことが販売の条件となっていたもので、コスト面から考えても通常販売とは異なるものです。
こうした条件及び期限付き承認のもとでの販売でしたが、本承認申請の条件とされる目標症例数120例の製造販売後承認条件評価を行うために、薬価収載後の2019年9月から2021年12月までに患者登録を完了し、その後、1年間の経過観察を経て症例データを蓄積し、使用成績比較調査での集計結果が、従前申請の治験結果の再現性が確認できたことから、今年5月31日に厚生労働省に条件解除に向けた本承認の申請を提出し受理されたのです。
条件及び期限付き承認となった製品で、本承認の申請に至ったのはコラテジェンが初めてのケースですが、この取り組みを担って戴いた田辺三菱製薬を始めとする関係者の皆さんに、アンジェスの株主の皆さんは「ご苦労様でした」とねぎらいの気持ちを込めて拍手を送っていると思います。
コラテジェンが2024年に医薬品医療機器総合機構(PMDA)が選任した審議委員会で承認され厚生労働省から正式承認されたとしても、それがアンジェスの黒字転換に即、つながるものではないのですが本承認を得ることができれば、米国でのコラテジェンの取組みやイスラエルでの承認にも良い結果をもたらすことは事実であり、その意味でも国内での本承認は意義があると思います。
そうした意味で2024年はアンジェスにとって大きな転換点となる年ではないかと思っています。