●アンジェス(株):2023/08/12 13:56
2014年11月に、改正薬事法で導入された遺伝子治療を含む「再生医療等製品」に対する早期承認制度が施行されましたが、アンジェスはこの制度を活用し、2019年3月に国内初の遺伝子治療用製品として、条件及び期限付きの製造販売承認を取得し、2019年9月より販売を開始しています。
この条件として定められていた目標症例数120例の市販後調査を実施するにあたり、当時、田辺三菱製薬の三津家正之社長が、2019年9月より製造販売後承認条件評価を行う販売を開始するにあたって「投与患者120例は3年ほどかけて集めたい」と語り、2024年の本承認を得るための決意を語っています。
そして、使用成績比較調査のための目標症例数120例と比較対照80例の患者登録については2021年12月に完了し、その後1年間の経過観察期間を経て、その治療解析データから、従前申請の治験結果の再現性が確認できたので、2023年5月31日に厚生労働省に対して、条件解除のための本承認の申請を行なっています。
こうした経過から分かるように、条件及び期限付き承認とは、条件で定められているように重症化した慢性動脈閉塞症に関する十分な知識・治療経験を持つ医師のもとで治療を行い、コラテジェンを使用する症例全例を対象として製造販売後承認条件評価を行うことが定められているのです。
通常販売と違って使用成績調査を行うにはデータの収集に関し医療機関に支払う費用や、医薬品開発受託機関への業務委託費用や、データベースの管理費用等がかかることも事実です。この費用額がどの程度かかるのかは、算定しておりませんが、恐らくコラテジェンの販売による収益を超えるものと思います。
ですので、目標症例数120例の患者登録の完了後は、本申請に向けた準備に専念することもあり、コラテジェンの販売については、これまでのように販売をしてこなかったことは事実です。
なお、医薬品医療機器総合機(PMDA)から2022年12月16日以降は、これまでの製造販売後承認条件評価の取り組みと異なる一般使用成績調査を実施した上で販売で良いとの指示が出され、これまでよりは手数の掛からない販売が可能となり、わずかではありますがコラテジェンの製品売上高として11百万円が計上されたのです。