●アンジェス(株):2023/03/20 10:06
CRISPRキャスナインという、これまでのゲノム編集技術より短時間で簡単に標的とするDNA配列を切断できる革新的な技術が登場したのが2012年。エメンド社の創立は、CRISPRキャスナインが持つ革新的な技術が、今後のゲノム編集技術に大きな貢献をもたらすことを認識したうえで、人への治療法の確立や創薬にとって隘路になっていた「オフターゲット効果」をどのように改善するのかという問題意識から、イスラエルのワイツマン研究所の卒業生のグループが結集し、CRISPRが登場した3年後の2015年12月に設立されています。
エメンド社のゲノム編集技術の特徴は、すべての病気を標準のCRISPRモデルに適合させようとするのではなく、CRISPRを各疾患に具体的に適合させるように努めるというアイデアのもとに、DNA配列を切り取る独自のOMNIヌクレアーゼを数多く作出し、その中から適切なヌクレアーゼを選択し、それを標的配列に対して最適化することで、「オフターゲット効果」なくしていくものです。
こうした取り組みは、3月8日に発表されている「NIKKEI BUSINESS DAILY」( 日経産業新聞)でも紹介されていますが、「独自のAIを活用することで新しいヌクレアーゼを見つけ、ゲノム編集に利用できそうなものを選別できる、自社開発したヌクレアーゼのうち250超について、特許を申請している」とエメンド社の社長兼CEOであるデビッド・バラム博士が報告しているとのことです。
エメンド社が設立されてから7年3ヶ月、そしてアンジェスがエメンド社を子会社化してから2年3ヶ月が経過しましたが、エメンド社の研究の積み上げによって、
ELANE関連重症先天性好中球減少症の臨床入りを進めている段階までくることが出来ました。社長兼CEOであるデビッド・バラム博士が、今年1月5日に発表している企業プレゼンテーションの中では、アメリカ食品医薬品局(FDA)に申請する治験届けについては、2022年11月にはプレINDミーティングが行われており、臨床試験入りの申請については、2023年第3四半期の時期に行う予定であると記述されています。