●アンジェス(株):2023/02/15 09:04
2月10日に発表されたアンジェス株式2022年12月期短信では、「継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況」を解消して行くには、HGF遺伝子治療用製品コラテジェンの国内での本承認に向けて2023年春には申請を行うことと、エメンド社で臨床入りを目指しているELANE関連重症先天性好中球減少症の取り組みを重視しているように思います。
①アンジェスは、現在開発している医薬品等のプロジェクトを確実に進捗させることが重要として、HGF遺伝子治療用製品コラテジェンの製造販売後承認条件評価のデータを分析し、2023年春を目標に本承認の申請を行っていく方針を打ち出しています。本承認に向けた申請が受理された場合には、承認に向けた取り組みが大きく前進すると思います。
米国での閉塞性動脈硬化症を対象とした後期第Ⅱ相臨床試験をについては、2022年末までに当初目標の60例の投与を完了していますが、被験者の都合などの理由により、計画通りに臨床試験が続行できなくなった脱落例があることから、2023年第1四半期に数例の登録追加を予定しているとのことです。
②エメンド社は、ゲノム編集の安全な医療応用を目指し、OMNIプラットホーム技術を活用し、血液、眼科、肝代謝などの疾患領域で、パイプラインを構築しています。その中で、最も進んだELANE関連重症先天性好中球減少症を対象としたプロジェクトは米国での臨床試験実施に向けFDAと協議を開始しており、臨床試験入りの申請(IND)についても、2023年第3四半期の時期に行う予定であるとされています。
ELANE関連重症先天性好中球減少症の治療方針の確立に向けた臨床入りを照準にして、エメンド社の社長兼CEOであるデビッド・バラム博士が2023年1月5日にHPで発表している企業プレゼンテーションの中では、現状の研究機関から脱却する「明確な出⼝戦略」として米ナスダックへの上場戦略を描いています。
デビッド・バラム博士は、1月19日に東京大学伊藤国際学術センターで開催された「第13回国際協力遺伝病遺伝子治療フォーラム」においてゲストスピーカーとして講演するための来日していますが、その後アンジェス経営陣とも話しあいが持たれているので、米ナスダックへのIPOについても協議しているのではないかと思います。