●アンジェス(株):2022/07/03 10:36
ファンペップ社は、大阪大学の研究成果である AJP001(アジュバント様作用を示すペプチド)を強みとして、炎症性疾患やアレルギー性疾患等の慢性疾患に対する治療ワクチン「抗体誘導ペプチド」の研究開発を進めています。そして最近では、オーストラリアで実施している抗体誘導ペプチド「FPP003」の尋常性乾癬を対象疾患とする第Ⅰ/Ⅱa 相臨床試験についての被験者登録が完了したとプレスリリースで報告されています。
もちろん、アンジェスとファンペップには共の大阪が医学の関りがありますが、独自に企業運営が行われています。しかし、創設の経過を見ても、競争的な関係にあるライバル会社ではなく、必要な所では協力、連携がある会社です。
現実に、大阪大学とアンジェスが共同開発して取り組む、新型コロナワクチン開発には、いち早くファンペップが共同参画しているのです。
このファンペップの参画の意義は、アンジェスのIRにもあるように
「ファンペップ社のペプチド技術を用いることにより、抗体産生力が高く、より有効性の高い次世代ワクチンの開発を目指します。現在開発を進めているワクチンに加えて、抗体産生力向上が期待されるため、ワクチンの投与量・回数の減少、より強力な感染予防効果や重症化が抑えられるなどの臨床的なメリットが期待され、当社としては新型コロナウイルスに対するワクチンの有効性を今後とも高めていく予定です」と、説明されています。
つまり、新型コロナDNAワクチンの筋肉投与のワクチンを第一世代ワクチンとして、次にダイセル社とアクトランザラボを活用した無針デバイスによる皮内投与を第二世代ワクチンとして、そして次の段階としてファンペップのペプチド技術を生かしたユニバーサルワクチンの性格を持つ、新型コロナDNAペプチド併用ワクチンを作っていくと開発戦略があるのです。そのために、日本医療研究開発機構が昨年8月に公募した橋渡し研究プログラムの採択課題(二次公募)に大阪大学の中神啓徳教授が「新型コロナウイルスに対するブースタータイプのペプチドワクチン開発」という研究テーマで応募し採択されているのです。
医師主導の治験まではファンペップが責任を持ち、実用化に向けた企業治験の段階ではアンジェスに移して開発すると思います。それがチームアンジェスへのファンペップの参画の意味なのです。