●アンジェス(株):2022/06/29 08:05
HGF遺伝子治療用製品コラテジェンの国内における本承認に向けた取組については、120症例の市販後調査も順調に進み、今後は経過観察期間後のデータのチェック、解析を行い、本承認に向けた申請の準備等を進めて行くことになります。
また国内における適応拡大の取り組みについても、国内における慢性動脈閉塞症の安静時疼痛を有する患者を対象にした第Ⅲ相臨床試験については、2021年12月に目標症例の投与を完了しているので、あとは承認を得るべく、申請の準備を進めて行くことになります。
一方、米国でのコラテジェンの承認に向けた取り組みについては、2019年6月に閉塞性動脈硬化症のうち、包括的高度慢性下肢虚血についてのグローバル治療指針として、包括的高度慢性下肢虚血の初期段階から適切な治療マネージメントを提供することで患者のクオリティ・オブ・ライフ(QOL)の向上を図ることを推奨する方針が打ち出されたことから、米国では下肢切断リスクの低いステージ1~2の患者を対象に臨床試験が進められています。
米国での後期第Ⅱ相臨床試験は60症例の集積を目指すものですが、一時、新型コロナ感染拡大の影響もあり足踏み状態もあったが、2021年12月時点で約40例と目標症例数の約7割まで登録を完了するなど順調に進んでおり、2023年までにデータ解析を完了して試験結果を発表するという予定になっています。試験結果が良好であれば、「再生医療先進治療」(RMAT)の指定制度を用いて早期承認を目指すことも選択肢の一つとして浮上してきます。米国における閉塞性動脈硬化症の患者数は日本と比べて格段に多いだけに、今後の開発動向が注目されます。
ご存じのように2019年2月には、イスラエルのKamada社とイスラエルを対象国とした独占的販売権許諾に関する基本合意書を締結しており、また、2020年10月にはトルコのEr-Kim社と、トルコでの独占的販売権許諾に関する基本合意書しているので、日本での本承認や米国での承認が実現できれば、コラテジェンの世界的な販売が大きく拡大していくことは確実だと思います。
なお、コラテジェンの他の疾患への応用・研究はコラテジェンの通常販売を実現して、黒字化の一歩を踏み出した後にでも、じっくりと取り組むことは可能です。