●アンジェス(株):2022/06/21 09:22
コラテジェンの開発状況については5月10日に発表された第一四半期決算短信でも報告されていますが、製造販売後承認条件評価のための目標症例数である投与120例、比較対照(非投与)の80例の患者登録が2021年末に完了しています。またコラテジェンの適応拡大を目的とした、国内における慢性動脈閉塞症の安静時疼痛を有する患者を対象にした第Ⅲ相臨床試験も2019年10月より実施し、2021年12月に目標症例の投与を完了しています。
今後は、2024年の本承認に向けて、経過観察期間後のデータのチェック、解析、申請書の準備等を進めて行くことになります。併せて、国内におけるコラテジェンの適応拡大の承認を得るべく、申請の準備を進めて行くことになります。
一方、米国においては、2020年2月より後期第2相臨床試験がスタートしています。閉塞性動脈硬化症のうち、包括的高度慢性下肢虚血については、2019年6月にグローバル治療指針(GVG)に基づいて、包括的高度慢性下肢虚血の初期段階から適切な治療マネージメントを提供する方針から、下肢切断リスクの低い患者を対象に臨床試験を進めています。
米国における後期第2相臨床試験の主要評価項目は「潰瘍の改善」と「血流の改善」としており、治験プロトコルはHGF遺伝子治療用製品またはプラセボを4週間の間隔を置いて4回投与するというものです。被験者を4mg/回、8mg/回、プラセボの3群に分けて各20症例で、計60症例のデータを収集するものです。
臨床試験の進捗状況については、カリファルニア州の7病院、フロリダ州の3病院
、オハイオ州の3病院、イリノイ州の2病院など、9つの州で20箇所の病院が協力していることもあり、2021年12月時点で約40例と目標症例数の約7割まで登録を完了するなど順調に進んでいます。2023年までにデータ解析を完了して、試験結果を発表するスケジュールとなっていますが、試験結果が良好であれば、再生医療の先端治療法で、臨床試験で一定の効果を示したものに対する指定制度であるRMAT指定を受けて、優先審査と迅速承認の機会を得ることで、実用化に向けた早期承認の機会を得ることが可能になります。
日本国内の本承認と合わせて、米国での承認が実現出来れば、アンジェスの黒字化の柱の一つであるコラテジェン販売の世界展開が大きく開けることは確実です。