●アンジェス(株)2024/12/17 08:33
神奈川県川崎市にある川崎生命科学・環境研究センターに衛生検査所を開設したのは2021年4月ですが、3ヶ月の準備期間を経て新生児の遺伝性疾患を調べるためのオプショナルスクリーング検査を提携先の一般社団法人希少疾患の医療と研究を推進する会を通じて検査受託サービスを開始したのは2021年の7月です。その後、衛生検査所の名称を2022年2月にアンジェスクリニカルリサーチラボラトリー(ACRL)に変更しています。
検査数は2022年12月期の1万件から2023年12月期は2万件となり、2024年12月期では4万件を超えるペースで拡大する見込みで、11月8日に発表された2024年12月期第3四半期決算短信の中で、ACRLの取り組みについては、「一般社団法人希少疾患の医療と研究を推進する会が展開する拡大新生児スクリーニングに加え、公益財団法人群馬県健康づくり財団や埼玉県立小児医療センターからも拡大新生児スクリーニングの受託を開始しています。拡大新生児スクリーニングの受託数が前年同期に比べ順調に増加していることから、手数料収入として1億99百万円(同1億25百万円の増加)を計上しました」と報告されています。
ACRLでは希少疾患に携わる医療関係者の方々から、病気の疑いを調べるスクリーニング検査と、該当の疾患かどうかを確定する遺伝学的検査を一括して受託できる体制を作ってほしいという要望が寄せられていたことから、アンジェスは遺伝性疾患の確定のために新規検査機器を購入し、遺伝学的検査のための技術対応を完了し受託を開始する体制ができ上がりました。
加えて、早老症治療薬ゾキンヴィが2024年1月に厚生労働省から販売承認され、同年5月より販売を開始したことに伴い治療法が確立できたことで、ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群(HGPS)及びプロセシング不全性のプロジェロイド・ラミノパチー(PDPL)の遺伝学的検査を受託できる体制を構築し、希少遺伝性疾患の確定のための遺伝学的検査の受託を開始しています。
また今後は、治療効果のモニタリングを行うためのバイオマーカー検査へと領域を拡大する予定で、希少遺伝性疾患検査に関するワンストップサービス体制を構築し、医療関係者や患者ニーズに応える方針です。