●アンジェス(株):2021/12/20 06:11
「M」さんへ(その2)
ただ、アンジェスとしては、それは困難であるとの意思表示はせず、国の方針に
基づいて「第2/3相臨床試験(500症例)を経て、第3相臨床試験は1万~数万症例
という流れとなります」と広報ブログで伝えているのです。
その結果、500名規模の第2/3相臨床試験には、関西及び関東圏で50症例の
プラセボ試験も含まれており、そこから安全性や抗体陽転率以外にも、有効性が
測定できるようになっていて、最速であれば2021年の春の段階で、海外ワクチン
と並んで国産ワクチン第1号の接種開始を描いていたものが
とん挫してしまったのです。
ここで、「M」さんが私に投げかけた
「メディアに露出し尽くした森下氏の言動と、それに追随した某首長の会見に
どれだけの大衆劣情が動いたのかには、、、目をつぶりますか?」との問いに
答えてみたいと思います。
まず、言葉を正確にするために「どれだけの大衆劣情が動いたのかには、、」は
大阪市民を始め、国民の国産ワクチン開発への期待が動いたかに」にして
いただきます。その上でまず、「森下氏の言動と、それに追従した某首長の
会見に」を、あえて曖昧にせず吉村大阪府知事として話を進めることにします。
確かに、吉村府知事は新型コロナワクチンの開発状況についての多くは
森下先生を介して情報入試されていると思います。それは松井大阪市長も同じだ
と思います。では、森下氏の話を聞いた吉村知事や松井大阪市長はどのように
受け止めて動いたのかと言えば、地元大阪大学の臨床遺伝子治療学の森下教授が
国産ワクチン開発に着手したとするならば、応援しようと気持ちが動いたことは
自然のことなのです。
首長としては、地元大阪大がコロナワクチン開発に着手し、それが府民や国民に
手を差し伸べることにことになれば大阪の誉れでもあるとして動いたことは
批判されるべきことではないのです。つまり、この評価には
政治的に「維新」が好きか、嫌いかの尺度から判断すべきことではないのです。
実質的な開発責任者である森下先生も、大阪大学で実施してきた第1/2相
臨床試験の治験結果は公表を控えていましたが、安全性については
自信があったし、抗体陽転率や抗体産生力を測定した場合、国内承認が得られる
のではないかと言った判断があったのだと思います。