●アンジェス(株):2022/06/19 10:34
アンジェスは大阪大学と共同で、これまでに第Ⅰ/Ⅱ相及び第Ⅱ/Ⅲ相の臨床試験を実施してきました。これらの治験結果については、安全性において問題がなく細胞性免疫においては、ある程度の上昇を確認できたものの、液性免疫については期待する効果を得ることができなかったことが2021年11月にIRで報告されています。
けれども、この報告を待たず高用量製剤による第1/2相臨床試験を8月に開始したのは、大阪大学医学部附属病院で実施した第1/2相臨床試験について、日本医療研究開発機構(AMED)が2021年6月3日~4日にかけて開催した「新型コロナウイルス感染症対策関連研究開発事業の成果報告会」で、主催者の求めに応じて、森下先生が2㎎2回投与の抗体陽転率は60%、2㎎3回投与の抗体陽転率は70%と報告しているので、ファイザーやモデルナなどの先行ワクチンと比較すると、更に有効性を高める必要があると判断し、医薬品医療機器総合機構(PMDA)と協議の上で、接種方法を筋肉注射と皮内投与の2種類とし、プラセボなしで目標症例数400例にて実施し、2021年11月に目標症例の接種を完了しているのです。
この高用量製剤による第1/2相臨床試験の結果については、山田社長も「夏には結果が報告できる可能性がある」と語っているので、国際標準に準じたデータ解析を海外の専門機関で行っている分析結果が、夏には報告がされると思います。
その治験結果で、海外の先行品と同等程度以上の有効性が確認できれば高用量製剤での第2/3相臨床試験、および最終的な第3相臨床試験へと進むべくPMDAと協議していくことになると思います。
高用量製剤による第1/2相臨床試験は、投与量を増やした筋肉投与の他に、投与量1㎎の2回投与、および3回投与の皮内投与を実施しています。この取り組みは、2020年11月から大阪大学で感染制御部長であった朝野和典先生が責任者となって医師主導の治験の取り組みを経て実施された企業治験です。
投与デバイスはダイセルのアクトランザラボを活用していますが、狙った皮内に正確に投与できる優れたもので、筋肉に比べ皮内には免疫細胞が多いことから、有効性を高めることが期待できます。
7月中旬には梅雨も明け、本格的な夏到来なので国際標準による海外機関からの治験結果の報告に期待したいと思います。