●アンジェス(株):2021/06/13 15:31
6月3日~4日にかけて開催された日本医療研究開発機構(AMED)の報告会で、森下先生は教授はDNAワクチンの第1/2相臨床試験の治験結果の一部をを発表しています。そして、6月10日には「医薬通信社」から大阪大学で実施された第1/2相臨床試験の治験結果が報告されています。以下は、その要旨です。
・……………………………………………………………………………………………・
大阪大学でのP1/2臨床試験の副反応については、軽い注射部位の痛みはあるが、ファイザーのRNAワクチンのような発熱、倦怠感、悪寒は殆どみられず、非常に高い安全性が確認されている。
<大阪大学で実施したP1/2試験結果について>
大阪大学のP1/2試験結果では、2mg・4週間隔・2回投与では、液性免疫反応は70%、細胞性免疫反応は90%、総合免疫反応 (液性と細胞性の両方またはいずれか一方)は90%であった。
2mg・2週間隔・3回投与では、液性免疫反応は100%全例で確認された。細胞性免疫反応は90%、総合免疫反応(液性と細胞性の両方またはいずれか一方)は100%であった。
「症例数のトータルでは、液性免疫反応は73%であったが、かなり多くの人で反応が見られたので、非常に手ごたえのある結果を得たと思っている」と報告。
さらに、「今後、500例規模のP2/3試験でもこの結果を確認し、年内にも承認に向けた次の大規模試験に進みたい」と意気込む。(森下氏)
今後、「WHOやICMCRの議論をもとに、厚労省が改めて承認要件を示す」とされている内容を見て、試験のサイズ、試験を行う国などを早急に決定する。
また、WHO推奨の国際標準品を用いて測定しているNexelis社での測定も行う予定である」(森下氏)
<アストラゼネカ製ワクチンと同等の有効率期待>
PMDAがワクチン承認条件の一つとして定めている大阪大学P1/2試験におけるAG0302の中和抗体陽転率は、2mg・4週間隔・2回投与で60%、2mg・2週間隔・3回投与で70%で、国産ワクチンで初の免疫原性が確認された。
中和抗体同陽転率に加え、森下氏は、「細胞性免疫で2倍以上活性化している。国内で承認されているアストラゼネカ製のワクチン(中和抗体陽転率70%)と同等の有効率が期待できるのではないか」との考えを示す。