●アンジェス(株):2024/04/10 08:34
NF-κBデコイオリゴDNAによる慢性椎間板性腰痛症を対象とした米国での後期第1相臨床試験については、2021年4月にトップラインデータが発表されています。
対象患者は、32〜70歳の慢性椎間板性腰痛症患者の男女 25 症例で、安全性については重篤な有害事象は認められず、有効性についても投与早期に腰痛は大幅に軽減し、腰痛の抑制は投与12ヵ月後まで継続し、患者自身からも高い満足度が得られたと報告されています。
アンジェスの山田社長は治験結果について、「NF-κBデコイオリゴDNA10mgによる椎間板内単回投与は安全で、腰痛の改善、患者の高い満足度が得られ、その効果は長期に持続することが確認されました。我々は、今回の結果を確認するために臨床試験をさらに進め、世界の他の規制当局からの販売承認取得を検討する予定です」と述べています。
この結果を受けて、アンジェスは2023年1月に、「日本国内にも慢性椎間板性腰痛の患者は多く、国内において製品化した場合に事業性を見込める」として、国内での第2相臨床試験の実施を決定し、続く3月には国内第2相臨床試験への協力に関する塩野義製薬との契約締結を発表しています。
米国での後期第1相臨床試験の最大投与量は10mgでしたが、日本における第2相臨床試験の実施にあたっては更に効果を高めるため投与量を20mgとするため、92例のうち始めの2例で安全性を確認するための取り組みが昨年10月18日から行われてきましたが、2023年11月29日に独立データ安全性モニタリング委員会から、既投与2例の安全性が確認さたとの報告を受けています。
アンジェスは2023年10月18日に、NF-κBデコイオリゴDNAの国内での第2相臨床試験が開始したことを報告しています。治験の対象者は18歳以上75歳以下の方で、0~10までの11段階に分けて評価するNRSスコア(自己申告による痛みの指標)が4~9までの中等度から強い痛みのある患者とされています。
なお、第2相臨床試験の概要ですが、先行投与の2名を除く90症例について10mg投与30名、20mg投与30名、プラセボ対象30名に3分類し、計92名のNF-κBデコイオリゴDNAの有効性、安全性及び忍容性を評価するもので、現在20ヶ所の医療機関で治験が実施されています。