●アンジェス(株):2023/11/27 08:41
椎間板性腰痛症を対象としたNF-κBデコイオリゴDNAについては、米国における後期第Ⅰ相臨床試験で、重篤な有害事象は認められず、高い安全性が確認され、有効性についても治験データを評価したところ、投与早期より腰痛は大幅に軽減し、腰痛の抑制は投与12ヵ月後まで継続したことが確認されています。この結果をふまえ、日本国内において第Ⅱ相臨床試験を行うことを今年1月に決定し、その準備を進めてきましたが、日本国内における第Ⅱ相臨床試験で投与が開始されたことが10月18日のIRで報告されています。
NF-κ(カッパー)B とは、活性酸素などによる酸化ストレスなどの刺激が外部から与えられた時に、細胞が炎症反応や免疫反応を惹起させるため活性化する主要な転写因子ですが、 NF-κBデコイオリゴDNAは、このNF-κB転写因子に結合して炎症性サイトカイン(細胞から分泌される生理活性物質)の放出を抑制し、過剰な炎症反応や免疫反応に起因する様々な疾患の治療における有効性が期待されているものです。これまでの治療は、消炎鎮痛剤などによる対症療法が中心でしたが、NF-κB デコイオリゴ DNA は過剰な炎症反応や免疫反応を惹起する原因物質を抑制するため、椎間板変性症などの病気の進行を抑える効果が期待されます。
なお、アンジェスが11月13日に関東財務局に提出した第25期第3四半期報告書では椎間板性腰痛症を対象としたNF-κBデコイオリゴDNAの取り組みについて、以下のように報告されています。
■NF-κBデコイオリゴDNA
核酸医薬NF-κBデコイオリゴDNAについては、米国において椎間板性腰痛症を対象とした後期第Ⅰ相臨床試験を実施し、投与後の観察期間6ケ月間に続き、12ケ月間を経た結果でも、患者の忍容性は高い上、重篤な有害事象も認められず、安全性を確認できました。さらに、探索的にデータを評価したところ、患者の腰痛の著しい軽減とその効果の持続が認められ、有効性も確認できました。
当第3四半期においては、日本国内における第Ⅱ相臨床試験の準備を進め、2023年10月18日に開示のとおり最初の患者投与を実施いたしました。なお、当該試験に関して塩野義製薬株式会社と契約を締結し、費用の一部を負担いただくとともに、試験結果に基づき第Ⅲ相臨床試験の実施について協議する予定です。