●アンジェス(株)：2024/04/04 08:40

３月28日、アンジェスの第25期定時株主総会が開催されましたが、その招集通知の中に事業報告が掲載されています。その中にエメンド社についての報告がされていますが、字数の関係から一部割愛して紹介いたします。

■当社は、ゲノム編集技術を用いた遺伝子疾患治療に挑むため、2020年12月にゲノム編集における先進技術及びそれを活用した開発パイプラインを持つエメンド社を子会社化しました。エメンド社では、ゲノム編集の安全な医療応用を目指し、CRISPRヌクレアーゼを探索・最適化するOMNIプラットフォーム技術を確立しており、ゲノム編集でしばしば問題視される「オフターゲット効果」を回避できるなど、新たな特徴をもったOMNIヌクレアーゼを数多く作出し、特許を出願しております。

同時にエメンド社では、様々な遺伝子疾患に応じてゲノム編集戦略を構築し、数多くのOMNIヌクレアーゼの中から適切なヌクレアーゼを選択し、それをさらに標的配列に対して最適化して、これまでゲノム編集では対象とできなかった疾患を含め、様々な疾患に対する安全で有効な治療の開発を進めております。なかでも、ELANE関連重症先天性好中球減少症の治療は、ほとんど同じ配列をもつ対立遺伝子のうち、変異のある遺伝子のみを破壊するという非常に精度の高いゲノム編集が必要となります。

エメンド社では、ELANE関連重症先天性好中球減少症を対象とするゲノム編集治療について、早期の米国での臨床試験開始に向けた準備を継続し、家族性高コレステロール血症を対象とするゲノム編集治療についても臨床試験に向けた研究開発を継続しております。

今般のガザ地区における紛争の影響で、イスラエルにある研究施設における研究開発が難しくなりました。そこでエメンド社では、これまで蓄積された大量のデータをベースに、人工知能を活用し、知識集約的な研究開発体制に移行することを検討しております。

以上のようにエメンド社では、イスラエルにおける研究施設は継続して使用するものの、研究開発人員を現状から半数以下に削減する検討を始めます。一方米国では、臨床試験の準備を進めているゲノム編集製品並びに他のパイプラインの研究開発を加速するとともに、エメンド社のゲノム編集技術の導出等を進める目的で、米国における体制の強化を加速してまいります。