●アンジェス(株):2023/09/07 09:52
8月14日、関東財務局に提出した四半期報告書は、金融商品取引法第27条の30の2に規定されていることに基づくものですが、この報告の中の研究開発活動に中で、エメンド社の取り組みが報告されていますので紹介していきます。以下がその報告内容です。
■ゲノム編集技術による遺伝子治療の開発
当社は、究極の遺伝子治療法ともいわれるゲノム編集技術を用いた遺伝子疾患治療に挑むため、2020年12月にゲノム編集における先進技術及びそれを活用した開発パイプラインを持つEmendo社を子会社化しました。Emendo社では、ゲノム編集の安全な医療応用を目指し、新規CRISPRヌクレアーゼを探索・最適化するプラットフォーム技術(OMNI Platform)を確立しており、ゲノム編集でしばしば問題視される「オフターゲット効果」を回避できるなど、新たな特徴をもった新規ヌクレアーゼ(OMNI ヌクレアーゼ)を数多く作出し、特許を出願しております。
Emendo社ではOMNI Platformの更なる性能向上、効率化を目指した開発を継続しております。同時にEmendo社では、様々な遺伝子疾患について、その疾患と遺伝子変異の分子機構の理解に基づき、疾患に応じてゲノム編集戦略を構築し、数多くのOMNI ヌクレアーゼの中から適切なヌクレアーゼを選択し、それをさらに標的配列に対して最適化して、これまでゲノム編集では対象とできなかった疾患を含め、様々な疾患に対する安全で有効な治療の開発を進めております。
なかでも、ELANE(好中球エラスターゼ遺伝子)の異常によるELANE関連重症先天性好中球減少症では、対立遺伝子配列の一方のみの変異により発症するため、その治療は、ほとんど同じ配列をもつ対立遺伝子のうち、変異のある遺伝子のみを破壊するという非常に精度の高いゲノム編集が必要となります。
Emendo社では、ELANE関連重症先天性好中球減少症を対象とするゲノム編集治療について、2023年度中に米国での臨床試験開始に向け、FDAと協議を継続しています。
このほか、家族性高コレステロール血症(FH)を対象とするゲノム編集治療についても臨床試験に向けた研究開発を継続しております。