●アンジェス(株):2024/03/28 08:32
今日はアンジェスの第25期定時株主総会が開催される日ですが、3月26日にIR情報として「事業計画及び成長可能性に関する事項」が発表されています。
その中で、カナダのバソミューン社と共同開発しているTie2受容体アゴニスト(AV-001)についての記載がありますが、それを参考にしながらAV-001の開発状況について報告いたします。
AV-001は、もともと血管の不全を原因とする急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の治療薬として開発してきたものですが、コロナウイルス感染症による肺炎患者が増大したことから、中等度から重度の感染症肺炎患者向けの治療薬として、2022年1月より米国で前期第2相臨床試験として取り組んできた経過があります。
しかし、重症化リスクが低いオミクロン株への置き換わりが急速に進んだことにより患者確保が難しくなり、その後、前期第2相臨床試験の対象疾患を「インフルエンザ等のウイルス性及び細菌性肺炎を含む急性呼吸窮迫症候群(ARDS) に広げる」申請を米国FDAに行い、2022年12月に承認を受けています。
このようにコロナウイルスによる感染症肺炎患者から、もともと開発してきた血管の不全を原因とする急性呼吸窮迫症候群まで対象を広げたことで、臨床試験の位置づけも第2相臨床試験として取り組むようになった思います。この第2相臨床試験に対し、独立データ安全性モニタリング委員会から第2相臨床試験における安全性について肯定的評価を受けたことが報告されています。
なお、患者登録が遅れている原因の一つとして、急性呼吸窮迫症候群で入院される患者さんの多くは、「救急搬送される患者が多数を占めるため、登録に時間がかかりました」と事業計画及び成長可能性に関する事項の中で報告されています。
この点について山田社長は、2023年12月期決算説明のビデオ動画の中で次のように語っているので紹介します。
「対象疾患の多くが急性呼吸窮迫症候群のため救急搬送されてくるので、当初は症例の登録が思うように進みませんでしたが、当社のこれまでの臨床試験に関する知見をもとに、医療機関との連携を強化し、臨床試験の体制を整備することで、その後、症例登録は順調に進捗しております。2024年度は医療機関との更なる連携を進め、年度内の目標症例数の登録完了をめざしてまいります」と。