●アンジェス(株):2023/12/05 08:52
アンジェスは、川崎市殿町3丁目に希少遺伝性疾患検査を主目的としたアンジェスクリニカルリサーチラボラトリー(ACRL)を開設し、一般社団法人 希少疾患の医療と研究を推進する会(CReARID)からオプショナルスクリーニングを受託し、2022年には年間約1万件の検査を実施しています。
ACRLの開設以来2年半ほどの取り組みの経過の中で、希少疾患に携わる医療関係者の方々から、スクリーニング検査と、遺伝学的検査を一括して受託できる体制を作ってほしいという要望が多く寄せられていたことから、アンジェスはその要望に応えて希少遺伝性疾患の確定のための遺伝学的検査の技術対応を完了し、2023年7月に拡大新生児スクリーニングの問い合わせ窓口を開設し、2023年冬には受託を開始する体制を整えて来ました。
遺伝学的検査とは、 スクリーニング検査の結果で疾患の疑いがある場合、その病気の原因となる遺伝子変異の有無を確認することで該当の疾患かどうかを調べる確定検査のことですが、これまで、幾つかの地方自治体から拡大新生児スクリーニングに関するご相談があり、今後は希少疾患の医療と研究を推進する会以外からの受託にも対応できる準備を進めています。
現在のオプショナルスクリーニングの検査対象は治療法が確立されているものとなっていることから、ムコ多糖症I型、II型、IVA型、VI型、ポンペ病、ファブリー病(男児のみ)、副腎白質ジストロフィー(男児のみ)、脊髄性筋萎縮症、重症複合免疫不全症の9疾患となっていましたが、こども家庭庁は、「脊髄性筋萎縮症」と「重症複合免疫不全症」という2つの難病については地域的な取り組みにバラつきがあることから、新生児マススクリーニング検査対象に加える方針を固めたと報じられています。
なお、12月8日(金)に開催される薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会で、ゾキンヴィの国内販売が承認された場合に備えて、遺伝的早老症のハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群(HGPS)とプロジェロイド・ラミノパチー(PL)も検査対象に加えるべく準備を進めているとのことです。