●アンジェス(株):2024/01/09 19:00
コラテジェンの有用性とHGF遺伝子治療の展望 森下竜一氏(大阪大学大学院
医学系研究科 臨床遺伝子治療学寄附講座教授)に聞く(その4)
また、コラテジェンの製造販売承認は条件付きのため、「200例の全例使用成績比較調査実施」、「重症化した慢性動脈硬化症に関する十分な知識・治験経験を持つ医師のもとで、創傷管理を複数診療科で連携して実施している施設での使用」が求められている。全例使用成績比較調査は「5年以内」とされるが、担当する田辺三菱製薬は「3年」を目標としている。
アンメットメディカルニーズへの対応が大きな特徴
コラテジェンの特徴について森下氏は、まず、「既存の方法では治療が困難な患者への貢献」、いわゆる「アンメットメディカルニーズへの対応」を強調する。
さらに、「プラスミドの筋肉注射なので、身体への負担が少なく、外来対応も可能」、「バイパス手術や血管内治療に比べてコスト安(コラテジェン2回投与で約120万円)」などの利点を挙げ、「全例調査が終了して正式承認されれば、高齢者や透析患者のような侵襲をかけにくい患者のQOLに大きく貢献できる」と力説する。
森下氏は、コラテジェンの今後の展開にも言及し、「治験で潰瘍改善効果とともに安静時疼痛改善効果も検討しており、効果が認められている」と報告。その上で、「アンジェスで安静時疼痛の臨床試験を進めて、適応拡大を測っていく」考えを示す。
重症虚血肢の潜在患者数50万人と推定される米国についても、「FDAからファーストトラックの指定を受けている。米国の臨床学会からの注目度も高く、是非、早期に臨床試験を再開してほしい」と要望する。