●アンジェス(株):2020/07/31 04:02
【医薬通信社】(その3)
大阪大学大学院臨床遺伝子治療学:森下竜一教授に聞く
コラテジェンの有用性とHGF遺伝子治療の展望 !!
2019年9月4日には、1バイアル60万0360円で薬価収載され、9月10日発売に至った。
コラテジェンは、HGFを発現する5181塩基対からなるプラスミドDNAで、標的細胞である下肢の筋肉細胞内に取り込まれ、細胞内で転写・翻訳されて、HGFを産生・分泌する。
HGFの血管新生作用によって、虚血部位の血管数と局所血流量を増加させ、虚血状態が改善される。
効能・効果は、「標準的な薬物治療の効果が不十分で血行再建術の施行が困 難な慢性動脈閉塞症(閉塞性動脈硬化症及びバージャー病)における潰瘍の改善」。
既存の血管拡張剤や血小板剤で効果がない患者、あるいはPTA療法(バルーン療法)が困難な患者、他に治療法がない患者を投与の対象とする。
用法・用量は、通常、成人には、投与対象肢の虚血部位に対して1カ所あたり同剤0.5㎎を8カ所に4週間間隔で2回筋肉内投与する(1回総計4㎎)。臨床症状が残存する場合は、2回目投与の4週後に3回目の投与を行うことも可能だ。
主な副作用には、注射部位疼痛がある。他にも、大腸ポリープ、末梢性浮腫、四肢痛、C-反応性蛋白増加などが挙げられるが、「治験でプラセボと殆ど差がなく、安全性は高い」。投与時には、「血管造影による投与個所の確認」が不可欠となる。
また、コラテジェンの製造販売承認は条件付きのため、「200例の全例使用成績比較調査実施」、「重症化した慢性動脈硬化症に関する十分な知識・治験経験を持つ医師のもとで、創傷管理を複数診療科で連携して実施している施設での使用」が求められている。
全例使用成績比較調査は「5年以内」とされるが、担当する田辺三菱製薬は「3年」を目標としている。