●アンジェス(株):2023/12/04 17:02
「神」さんへ。
CRISPRが二人の女性科学者によって開発されたのは2012年で
かれこれ11年が経過しています。
エメンド社は、それから3年ほど後の2015年12月に創立されています。
その創立の契機になったのは、ワイツマン研究所の熱心な卒業生が
ホワイトボードの周りに集まり、「CRISPRを改善するにはどうすればよいか」
という質問をしたことから始まったと言われています。
ですので、エメンド社の「OMNIプラットホーム」技術が確立できたのは
CRISPRキャスナインでは、完全に解決されていないオフターゲット効果を
どのようにすれば改善できるのかが出発点になっているので
エメンド社のOMNIプラットホーム技術は、CRISPRキャスナインを更に
発展させるものなので、どちらが素晴らしいかといった対立概念でとらえる
ものではないのです。
つまり、CRISPRキャスナインが基本の土台にあり、それをより良くしたもの
が、「OMNIプラットホーム」技術なのです。
ゲノム編集技術を使った遺伝性疾患について、臨床入りした企業は幾つか
あるようですが、それらの企業でも、人への治療法の確立にあたっては
それぞれに創意工夫を行って、オフターゲット効果の低減を図る取り組みが
進められているのです。
つまり、二人の女性科学者によって開発されたCRISPRキャスナインが
それぞれの工夫によって、動植物を対象として進められてきたゲノム編集
技術が、ここにきてやっと人への治療法の確立に至るまで、ゲノム編集技術
が発展してきたのです。
そして、これからがゲノム編集技術によって、これまで有効な治療法が
なかった疾患にもアプローチできる時代を、ようやく迎えることができる
幕開けが到来しつつあるのではないかと思っています。
それぞれの研究によって、切磋琢磨が進み、ゲノム編集が一層前進することを
願いたいと思います。