●アンジェス(株):2023/05/24 09:05
慢性椎間板性腰痛症を対象としたNF-κBデコイオリゴDNAの米国における後期第1相臨床試験のトップラインデータが発表されたのは2021年4月です。
治験結果については「12ヵ月間の観察期間を通して重篤な有害事象は認められず、高い安全性を示した。有効性についても探索的にデータを評価したところ、投与早期に腰痛は大幅に軽減し、腰痛の抑制は投与 12ヵ月後まで継続した。また、患者自身からも高い満足度が得られた。」と報告されています。
このトップラインデータの発表にあたって、アンジェスの山田社長は治験結果と今後の取り組み方針について次のように語っています。
「米国での後期第1相臨床試験では、安全で腰痛の改善、患者の高い満足度が得られ、その効果は長期に持続することが確認された。さらに、椎間板の高さを回復させる可能性が示唆されたことは、椎間板の変性を抑制する可能性を秘めている。我々は、今回の結果を確認するために臨床試験をさらに進め、FDAおよび世界の他の規制当局からの販売承認取得を検討する予定である」と。
トップラインデータの発表後アンジェスは、これからの開発戦略を検討してきましたが、2023年1月のIRで、「今後は日本国内における慢性椎間板性腰痛症を対象とした開発の開始を取締役会で決議した」と報告してます。
それが本年3月20日のアンジェスのIRで、「NF-κBデコイオリゴDNAの国内第2相臨床試験への協力に関する契約締結を塩野義製薬との間で結ぶことを取締役会で決議した」と報告しています。また第24期定時株主総会終了後の会社説明会でも山田社長は「椎間板腰痛症は、日本国内でも多くの患者がいることから、国内で製品化した場合でも事業性を見込めると判断し、今後は日本国内での第2相臨床試験を塩野義製薬と協力して実施することと致しました」と語っています。
なお3月のIRでは、第2相臨床試験については塩野義製薬と協力して実施するとされていますが、塩野義製薬からの臨床試験費用の一部負担や、続く第3相臨床試験の実施については塩野義製薬と協議することになります」と発表されています。 したがって、塩野義製薬との詰めの協議が整い、PMDAから第2相臨床試験の実施について承認されれば、それについての報告がアンジェス・塩野義製薬からIRで発表されると思います。