●アンジェス(株):2023/05/16 09:09
米国で実施してきた慢性椎間板性腰痛症を対象とした核酸医薬NF-κBデコイオリゴDNAについて2023年1月30日の取締役会で、今後は日本国内における慢性椎間板性腰痛症を対象とした開発の開始を決議した旨の報告がIRで有りました。ただ、この段階での発表では提携先の発表はありませんでした。
それが3月20日のアンジェスのIRで、慢性椎間板性腰痛症治療用NF-κBデコイオリゴDNAの国内第Ⅱ相臨床試験への協力に関する契約締結を塩野義製薬との間で結ぶことを取締役会で決議したと報告がされています。また第24期定時株主総会終了後の会社説明会でも山田社長は「椎間板腰痛症は、日本国内でも多くの患者がいることから、国内で製品化した場合でも事業性を見込めると判断し、今後は日本国内での第2相臨床試験を塩野義製薬と協力して実施することと致しました」と語っています。
米国における後期第1相臨床試験の対象患者は32~70歳までの25症例ですが、全症例の投与後12ヶ月間におけるトップラインデータが2021年4月に発表されています。治験結果については、米国での治験責任医師である、カリフォルニア大学サンディエゴ校医学部長のスティーブン・ガーフィン教授は「椎間板起因の腰痛に苦しむ患者さんに対して、画期的な治療を提供する可能性を秘めていると考えます。大幅な痛みの軽減効果とその持続期間を素晴らしい結果と受け止めており、その後の試験でのさらなる評価を期待しています」と述べています。
なお、慢性椎間板性腰痛症治療用NF-κBデコイオリゴDNAの国内第Ⅱ相臨床試験については塩野義製薬と協力して実施することが発表されていますが、今後は塩野義製薬からの臨床試験費用の一部負担についてや、第Ⅲ相臨床試験の実施についても協議が行われると思います。
また、慢性椎間板性腰痛症治療用NF-κBデコイオリゴDNAの日本国内での開発発表から、一定の時間が経過しているので医薬品医療機器総合機構(PMDA)との事前協議が行われていると思います。ですので、塩野義製薬との詰めの協議が整い、PMDAから第2相臨床試験の実施許可が正式に承認されれば、実施についてアンジェス・塩野義製薬からIRの発表があるのではと思います。