●アンジェス(株):2023/06/08 09:46
米国で実施してきた慢性椎間板性腰痛症を対象としたNF-κBデコイオリゴDNAの後期第1相臨床試験の対象患者は32~70歳までの25症例ですが、全症例の投与後12ヶ月間におけるトップラインデータが2021年4月に発表されています。
治験結果については、米国での治験責任医師である、カリフォルニア大学サンディエゴ校医学部長のスティーブン・ガーフィン教授は「椎間板起因の腰痛に苦しむ患者さんに対して、画期的な治療を提供する可能性を秘めていると考えます。大幅な痛みの軽減効果とその持続期間を素晴らしい結果と受け止めており、その後の試験でのさらなる評価を期待しています」と述べています。
この米国で実施してきた慢性椎間板性腰痛症を対象とした核酸医薬NF-κBデコイオリゴDNAについて、2023年1月30日にアンジェスの取締役会で、今後は日本国内における慢性椎間板性腰痛症を対象とした開発の開始を決議した旨の報告がIRで出されました。
このIRでは、開発を担う提携先が明らかにされていませんでしたが、3月20日のアンジェスのIRでは、慢性椎間板性腰痛症治療用NF-κBデコイオリゴDNAの国内第Ⅱ相臨床試験への協力に関する契約締結を塩野義製薬との間で結ぶことを取締役会で決議したと報告がされています。
アンジェスから3月20日に発表された、NF-κBデコイオリゴDNAの国内第Ⅱ相臨床試験については塩野義製薬と協力して実施することが発表されていますが、臨床試験費用の一部負担についてや、第Ⅲ相臨床試験の実施については、この段階で決まっていないこともあり、塩野義製薬からの発表がありませんでした。
それが、5月10日にアンジェスが発表した、2023年12月期 第1四半期決算短信の中で「現在、日本国内における第Ⅱ相臨床試験の準備を進めており、当該試験に関して塩野義製薬株式会社と契約を締結し、費用の一部を負担いただくとともに、試験結果に基づき第Ⅲ相臨床試験の実施について協議する予定です。」と、報告されています。
NF-κBデコイオリゴDNAの、国内における第Ⅱ相臨床試験の取り組みの発表から4ヶ月余が経過しているので、医薬品医療機器総合機構(PMDA)とは事前協議も開始されていると思いますが、塩野義製薬としては、臨床試験入りが確定した段階で、発表を行うものと思います。