●アンジェス(株):2023/05/14 20:29
「s」氏のコメント。
「AMEDの要項に研究の不正行為があった場合は契約解除の上、以後の支給額に年10.95の金利を加えて返金要求されるそうなので、57億円に10.95%上乗せで返金させて欲しいものですね
実質最初から失敗を確信しながら助成金を不当に要求した悪党ですから」と。
こうした主張が繰り返されているので、意見を申し上げます。
まず、アンジェスに支給された助成金についてはワクチン開発の助成金として一次公募の20億と、金額が公表されていない二次公募があります。
したがって、5月10日に発表された2023年12月期第一四半期決算短信の負債の部に記載されている前受金 57億6400万4000円は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)から助成された経過のものです。
この決算短信の負債の部に記載されている、57億6400万4000円の性格は、アンジェスがワクチン開発にかかる費用としてとして申請した金額を、当局が審査して支給されたものですが、受領した助成金は使用実績の監査を受け、適正と認められたワクチン開発費を収入として計上できる仕組みとなっているもので、今後、日本医療研究開発機構(AMED)から、使用実績の監査を受けて逐次、確定していくことになります。
確かにアンジェスの武漢型ワクチンは大阪市立大学医学部附属病院、及び大阪大学医学部附属病院での第1/2相臨床試験や、関西及び関東圏の8施設で実施された第2/3相臨床試験に加えて、高用量製剤の臨床試験では筋肉内接種群と皮内接種群いのずれにおいて抗体価が期待する水準には至らなかったことから、残念ながら開発を中止することなったのです。
しかし、この経過について「実質最初から失敗を確信しながら助成金を不当に要求した悪党ですから」と断定的に評価するのは、ワクチン開発は名ばかりで、初めから国を騙す詐欺行為に当たるもので、助成金の全額を返還の論理に結びつくもので、如何かと思います。
なお、アンジェスが申請先となったて厚労省から支給された93億8000万円は、「生産体制等緊急整備事業」として補助されているので、タカラバイオ・AGC・カネカ等の生産体制の整備に当てると、厚生労働省の資料に記載されていて、生産体制緊急整備事業は完了済みなので、返還対象にはならないと思います。