●アンジェス記事ストック:2023/01/27 22:45
「K」さんへの返信(その3)
では、開発中止を発表したアンジェスの今後の取り組みついては
「これまでの研究開発の知見を活かし、プラスミドの発現効率や導入効率の向上等、プラットフォームの見直しを行い、並行して、将来発する可能性のある新たな変異株を視野に入れ当面、オミクロン株の最新変異株に対しても有効な改良型DNAワクチン研究を開始することを決定いたしました」としています。
では、武漢型から変異株に切り替えた開発はすぐさま可能かと言えば、国の承認のあり方としては初めに着手したワクチンの承認を得て、変異株の開発に当たるようにとの方針があり、そうした理由もあり、中止の判断をしたのだと思います。
けれども「当面、オミクロン株の最新変異株(BA.5 等)に対しても有効な改良型DNA ワクチン研究を開始することを決定いたしました」とする方針は経鼻投与ワクチンだけを指すものではなく、経鼻投与ワクチンを開発しているからと言って、棚上げにされたり単なる作文どまりの方針になってはいけないのです。
最後に、アンジェスが武漢型初期ワクチンの開発中止にあたって発表した、ワクチン開発の方針は「将来発する可能性のある新たな変異株を視野に入れ当面、オミクロン株の最新変異株に対しても有効な改良型DNAワクチン研究を開始する」と言うのは、将来的にはコロナウイルス以外の新たなウイルス感染症の発生も考えられることから言えば、国産ワクチン開発からの退却はあってはならないのです。
今回、山田社長は新型コロナワクチンの開発責任を担い、精神的にも苦しかったとは思います。が、感染症ワクチンの国内開発を進めるとすれば、大阪大学の臨床遺伝子治療学の研究グループとの協力関係は必要です。
つまり、「遺伝子医薬のグローバルリーダーを目指す」以上は、エメンド社と大阪大学との提携は、今後も不可欠なものと思います。