●アンジェス記事ストック:2023/01/27 22:46
「K」さんへの返信(その2)
こうした結果となったのは主要には四つの理由があると思います。
一つ目は、DNAワクチンはmRNAワクチンと比較すると、細胞の核内でDNAからmRNAに転写して効力を持つもので、その意味では有効性が低いと言う特質があります。
そのため、開発者としてはDNAワクチンの有効性を高める更なる研究が求められるので、その取り組みが必要となります。
二つ目は、新型コロナワクチンの承認基準がなかなか定まらない中で、オリンピックを想定して、抗体陽転率が60%程度ならインフルエンザワクチンとの有効性の比較から承認が得られるのではないかとの判断で、第一世代ワクチンを開発したのではないかと思います。しかし、海外のファイザーやモデルナの先行ワクチンは予想以上に有効性が高く、それとの比較で急遽、高用量製剤の治験に取り組んだものと思います。
三つ目は、「K」さんが言われたように「ウイルスは日々変異する物です」。
変異株の特徴は、コロナウイルスには人体の細胞に入る場合に、ウイルス表面には細胞に入るためのトゲと言われるSタンパクがあるのですが、のトゲの部分が変異するために、当初のトゲに有効な抗体も変異株では抗体産生力が弱くなることから、ワクチンの効力が弱くなると言われており、武漢型の初期ワクチンでは、有効性には一定の限界があるのです。
四つ目は、WHOはプラスミドDNAワクチンの開発を推奨しながらも、どの程度の有効性があれば、国際承認をするのかという基準が明示されていない状況があります。インドのZyCoV-D(ザイコブD)と呼ばれるのは、プラスミドDNAワクチンで、67%の発症予防効果があると言われ、インド国内では緊急使用承認を得ながらもWHOによる国際承認は得られていないのです。
いずれにせよ海外の先行ワクチンと比較すると、高用量製剤を含む武漢型ワクチンでは有効性に劣ることから、開発の中止を選択したのです。