●アンジェス(株)：2023/01/23 12:32

「Ａ」ちゃんが
「高血圧ワクチンに期待しているなら「進捗状況」を教えて下さい」と
コメントされているので、私なりにお答えします。

高血圧症を対象としたDNAワクチンの第１/前期第２相臨床試験は、
18〜79歳の軽度から中等度の高血圧患者を対象として実施したもので
2020年３月に投与を完了しています。

この治験結果については、日本高血圧学会の公式英文誌である
「Hypertension Research」に大阪大学の中神啓徳・森下竜一教授
アンジェスからは山田英・石濱哲也氏などの各氏の連名で、論文が
掲載されました。また、2021年10月15日～17日にかけて
沖縄コンベンションセンターで開催された第43回日本高血圧学会総会で
治験結果が報告されています。

発表された論文の要旨は、安全性に問題がなく、DNAワクチンを
投与した患者では、特に高用量群で抗アンジオテンシンII抗体の産生が
多く認められ、全体として同ワクチンに対する忍容性は良好な結果でした。
ただ、抗体価については被験者ごとでバラつきがあり、今後分析する
必要があるとされています。

第１/前期第２相臨床試験結果で安全性について問題のないことが確認できた
ことで、データの詳細分析を行いながら今後の開発方針を決めていくと思います。

昨年の10月14日～16日にかけて国立京都国際会館で開催された
第44回日本高血圧学会総会がでは、開発方針が示されるのではないかと
期待したのですが、発表はなかったように思います。
前回の第１/前期第２相臨床試験の対象者は、軽度から中等度の高血圧患者を
対象としてきた経過がありますが、今後は重度の高血圧患者を対象とした
開発方針を検討しているとのことで、2023年春の開発方針を提示する方向で
検討しているとの情報もあります。

いずれにしても、高血圧ワクチンの開発は、お年寄りの一人暮しや
老々介護の家庭の実情もあり、それを待ち望む方々がいると思います。
であれば、一日も早く高血圧ワクチンの開発方針を示して、
第１/後期第２相の臨床試験に取り組んで戴きたいと思います。