●アンジェス(株):2022/03/24 04:20
<開発パイプラインの進捗状況>(その2)
■NF-kBデコイオリゴDNA
1.対象疾患:椎間板性腰痛症
米国で実施している椎間板性腰痛症を対象とした後期第1相臨床試験は2018年2月に開始されましたが、投与後の観察期間6カ月間に続き、12カ月間を経た結果でも、患者の容認性は高いうえ、重篤な有害事象も認められず、安全性も確認されています。現在、第Ⅱ相臨床試験に向けた準備が進められています。
2.同時に、次世代型「キメラデコイ」の基盤技術の開発を完了し、製品開発に向けた取り組みが進められています。従来のNF-kBデコイオリゴと比較して、「STAT6」と「NF-kB」という炎症に関わる2つの重要な転写因子を同時に抑制する働きを持つため、炎症抑制効果も高まることが動物実験でも確認されています。
また、生体内での安定性に優れNF-kBデコイオリゴよりも分子量が3~4割少ないために生産コストを低く抑えることが可能になります。
「キメラデコイ」の対象疾患としては喘息、慢性関節リウマチ、変形性関節症、
クローン病(炎症性腸疾患)などの炎症性疾患を想定していると言われています。
椎間板性腰痛症については既存のNF-kBデコイオリゴで開発を継続しますが、新たな開発は、「キメラデコイ」に移行していくことになります。
■高血圧DNAワクチン
オーストラリアで取り組まれている高血圧治療用DNAワクチンの第Ⅰ相/前期第Ⅱ相臨床試験の治験結果については重篤な有害事象はなく、安全性に問題はなく、アンジオテンシンⅡに対する抗体産生が認めらています。その結果は第43回日本高血圧学会総会でも報告されています。なお、高血圧DNAワクチンに関しては2020年6月に日本で、7月に米国でそれぞれ製剤特許及び用途特許を取得しています。
■ゲノム編集技術による遺伝子治療用製品の開発
エメンド社の新たなゲノム編集技術(OMNIPlatform)を活用し、ELANE(好中球エラスターゼ遺伝子)関連重症先天性好中球減少症を対象疾患とした開発品のプロジェクト化を検討します。この取り組みが「「エメンド社のビジネスプラン」に繋がる第一歩となります。