●アンジェス(株):2022/07/17 08:35
高用量製剤の第1/2相臨床試験の接種完了は2021年11月です。接種完了から既に8カ月余が経過していますが治験結果については、山田社長は「夏ごろには結果をお示しできる可能性があります」と語っているので、国際標準に準じたデータ解析を行う海外の専門機関の分析結果が、7月~8月には報告がされると思います。
高用量製剤での第1/2相臨床試験では、筋肉接種と皮内接種の二種類の取り組みが行われていますが皮内接種は、大阪大学での医師主導の治験を経て、アンジェスによる企業治験として実施されたものです。高用量製剤による皮内接種については、ダイセル社のアクトランザ・ラボが活用されていますが、その有用性については特許申請にあたって、開発に至る背景説明を次のように行っています。
「無針注射器を介して薬剤を生体内に注射する場合、注目されるのは薬剤を皮膚内のランゲルハンス細胞に投与できる能力である。ランゲルハンス細胞は、皮膚の上側有棘層に通常に存在する樹状細胞である。これらの細胞は、皮膚の免疫応答に関与し、且つ皮膚からリンパ節へ移動することがわかっており、マクロファージに共通の受容体を有し、T及びBリンパ球に対する抗原提示細胞として機能する」と。
なお、今年6月14日にダイセル社はアクトランザ・ラボについて次のようなプレスリリースを発表しています。
「当社は多くの研究機関・製薬会社等から、アクトランザ・ラボの継続・新規使用のご要望をいただいたことから、6月中旬よりアクトランザ・ラボの販売を開始します。これを機に、より多くの研究機関・製薬会社等にアクトランザ・ラボをご使用いただきヒトへの応用に向けた研究開発を進め、ひいては遺伝子治療薬、核酸医薬DNAワクチンなど革新的な医薬品の実現につながる新たな薬剤投与の方法(ドラッグデリバリーシステム)の実現を目指します」と。
つまりダイセル社はアクトランザ・ラボについて、今後はヒトへの応用に向けた研究開発を進め、核酸医薬、DNAワクチンなど革新的な医薬品の実現につながる新たな薬剤投与の実現を目指しているのです。
この皮内接種に使われているダイセル社のアクトランザラボは、狙った皮内に正確に投与できる優れたもので、筋肉に比べ皮内には免疫細胞が多いことから、有効性を高めることが期待できるので、高用量治験の結果に期待したいと思います。