●アンジェス(株):2022/07/16 18:01
「I」さん、こんにちは。
先ほど、国内でも新型コロナウイルス感染症が急速に拡大している状況を報告しましたが、専門家会議の中でも8月中旬までには日本での新型コロナウイルス感染症がオミクロン「BA.2」から「BA.5」に置き換わる感染状況が進むのではと認識されています。
東京大学医科学研究所の佐藤佳教授らの研究によると「BA.5」は感染力が強いだけでなく、「BA.2」の場合はウイルスが気管支止まりのケースが多く、重症化が少なかったのですが「BA.5」の場合はウイルスが肺に侵入し増殖する可能性があることから、重症化の懸念が伝えられています。
この特徴は当然、アメリカでの新型コロナ感染状況にも言えることなので、バソミューン社が開発している「AV-001」の実用化の必要性が高まることになります。ところで、「AV-001」についての前期第Ⅱ相臨床試験の一次完成の時期は、当初2022年5月予定とされていたのですが、世界中で実施されている民間および公的資金による臨床試験のデータベース「ClinicalTrials.gov」によると、治験取り組みの変更届により、研究の完了が2023年5月予定に変更となっています。この理由は、治験対象者が引き続き募集となっていることから、治験の目標症例120例の確保が充足されていないのではないかと思います。
米国の感染状況についてREUTERSの新型コロナウイルス感染症の統計情報でも、2022年1月19日の感染者数は94万9975人でピークだったのですが、2月には大幅に感染者数が減少を見せ、4月16日には感染者数が1万2221人となっています。「AV-001」の重要な治験施設のあるネバタ州での今年4月11日の感染者数はゼロとなっているのです。こうした背景もあって「AV-001」の治験対象者が重症患者であることから、目標症例の治験参加者が確保できなかったのではないかと思います。
が、ここにきて米国でもオミクロン「BA.2」から「BA.5」に替わる状況から
感染者が7月13日では20万4668人と拡大し、そして肺炎を伴う重症者の方が増えている状況にあるので、治験時期の延長があっても、新型コロナ感染症の重症化によってもたらされる急性呼吸窮迫症候群の治療薬AV-001の開発の意義は変わらないので、一刻も早く実用化されることを望んでいます。