●アンジェス(株):2022/08/08 08:38
高用量製剤による第1/2相臨床試験は、更に有効性を高める必要があるとして、2021年8月から筋肉投与と皮内投与の2種類で開始され、2021年11月に接種が完了しています。
大阪大学とアンジェスによる新型コロナワクチンの共同開発に、ダイセル社が2020年3月13日にいち早く共同参画していますが、無針デバイス(アクトランザ・ラボ)を活用した企業治験が開始されたのは2021年8月からです。その理由としては、アクトランザ・ラボによる動物を対象とした前臨床は2019年段階で終了し、同年12月には研究論文も発表されたのですが、アンジェスによる企業治験の前にヒトを対象とした医師主導の治験が必要でした。
このアクトランザ・ラボを使用した医師主導の臨床試験は大阪大学医学部附属病院の感染制御部長の朝野先生が責任者となって、日本医療研究開発機構(AMED)の助成を受けて実施されたものです。この研究の背景としては、核酸ワクチンの一つであるDNAワクチンはパンデミック感染症に対する迅速に製造できるワクチンとして期待されていますが、ワクチンを細胞内に効率よくDNAワクチンを送達させることが一つの課題となっていたのです。そこで、ダイセル社の新規無針投与デバイス(アクトランザ・ラボ)を用いた治験で、より効果的なワクチンの実現を目指して医師主導の治験に取り組んだのです。
こうした取り組みの上に立って、2021年8月から高用量製剤による第1/2相臨床試験の中で、筋肉接種と併せてアクトランザ・ラボによる皮内接種が取り組まれたのです。この投与量を増やした治験結果については、緊急有害事象の発生率や、免疫原性の測定に関する中間報告は時間枠が13週なので、中間発表は可能であったと思いますが、当局側と今後の取り組みについて協議した上での発表となるので、タイミングとしては、二次的成果指標を含む最終的な分析報告を待って報告されるのではないかと思います。
いずれにせよ、WHOが推奨している海外の分析機関に依頼している治験報告は、もうすぐだと思います。親ワクチンの承認につながる次のステップに進むことが可能となる治験結果であることを望みたいと思います。