●アンジェス(株):2022/07/08 08:14
梅雨も明け、夏本番の季節。高用量製剤による治験結果については山田社長も
「夏ごろには結果をお示しできる可能性があります」と語っているので、8月までには発表があると思います。ところで、皮内投与に使用する無針投与デバイス:アクトランザ・ラボについて6月14日にダイセル社が次のようなプレスリリースを発表しています。
「当社は多くの研究機関・製薬会社等から、アクトランザ・ラボの継続・新規使用のご要望をいただいたことから、6月中旬よりアクトランザ・ラボの販売を開始します。まずは、国内で発売し、将来的には欧米等の海外での販売も視野に入れていきます。これを機に、より多くの研究機関・製薬会社等にアクトランザ・ラボをご使用いただき、ヒトへの応用に向けた研究開発を進め、ひいては遺伝子治療薬、核酸医薬、DNAワクチンなど革新的な医薬品の実現につながる新たな薬剤投与の方法(ドラッグデリバリーシステム)の実現を目指します」と。
また、ダイセル社の4月のホームページでは、Immunetune社(本社オランダ)のがん及び感染症に対する次世代DNAワクチンの開発に、新規投与デバイス
アクトランザ・ラボ技術を提供することを伝えています。
Immunetuneが実施したモデル動物を用いた薬効薬理試験において、通常の針投与と比較してアクトランザ・ラボによる免疫原性の改善が見られたことによるものです。「この結果を受け、次世代DNAワクチンの非臨床さらには臨床試験に弊社デバイスを使用することを目指し、ダイセルとImmunetuneは共同で評価を継続することになっています」と。
大阪大学で取り組まれた医師主導の臨床試験を経て、アンジェスによる企業治験として取り組まれている高用量製剤の臨床試験で、ダイセル社のアクトランザ・ラボが皮内投与用に使用されていますが、この臨床試験で安全性、及び有効性が確認できれば、ダイセル社のアクトランザ・ラボについては人への実用化が可能となる医療器具としての承認を取得する取り組みを進めると思います。
従来の針を用いた注射器と比較して極めて薄い組織である皮膚や皮内にも標的にできるなど送達場所の正確さに加えて、皮内には筋肉内に比べ免疫担当細胞が多くいることから、ワクチンの効率を高めることが期待できるので、遅くとも8月には出されるだろう高用量治験の結果を待ちたいと思います。