●アンジェス(株):2022/07/21 17:37
「S」さんの今日の午前中のコメントですが
「電撃でAV-001の大幅進捗が認められたらすごいことになるでしょう」と。
アンジェスとカナダのバソミューン社が共同開発を進めている新型コロナウイルス感染症の重症化を改善する治療薬「AV-001」の前期第Ⅱ相臨床試験の一次完成の時期は、当初2022年5月予定でしたが、世界中で実施されている民間および公的資金による臨床試験のデータベース「ClinicalTrials.gov」によると、治験取り組みの変更届により、研究の完了が2023年5月予定に変更となっています。この理由は、治験対象者が引き続き募集となっていることから、治験の目標症例120例の確保が充足されていないのではないかと思います。
アメリカの新型コロナ感染症の発生状況を見ると、REUTERSによる統計情報を見ても2022年1月はピーク時で90万人を超える感染者の発生が1月後半から2月~3月にかけて急速に感染状況が減少しています。4月3日には全米における感染者数は4927人となり、この時期、AV-001の臨床試験に取り組む重要拠点となっているネバダ州では感染者数がゼロの時も有りました。5月に入ると感染者が増加し、警戒レベルを「中程度」から「高」に引き上げる州も出ていますが、7月では感染者数が1日で20万人を超える感染状況となっています。
新型コロナウイル変異株「BA.2」の場合は、感染力はあるものの、ウイルスが肺に侵入するケースが少なく、重症化が少なかったのですが「BA.5」の場合は、更に感染力が高く、かつ、ウイルスが肺に侵入する力があることが東京大学での研究でも明らかです。
対象重症患者数が減少した背景から、治験終了の時期を延期してきた経過がありますが、オミクロン「BA.5」の患者数が増大しつつあるので、治験の終了時期が想定より早くなると思います。コロナ感染症の重症化の多くは急性呼吸窮迫症候群による重症化のケースが高いのでそれを防ぐ「AV-001」の開発に期待したいと思います。