●アンジェス(株):2021/12/14 20:44
アンジェスが、最先端のゲノム編集技術を有するエメンド社の買収を完了し、完全子会社化したのは2020年12月15日なので、今日で丁度1年が経過しました。
エメンド社の買収完了時、アンジェスの山田社長は「今回のエメンド社の買収は、最先端の科学に基づいた遺伝子治療薬と治療法のユニークな組み合わせを見出すことで、いまだ有効な治療方法が確立されていない疾病に対する医薬品・医療への要望に応えるために、エメンド社が持つ技術である OMNI ヌクレアーゼを用いた遺伝子治療用製品の実用化を加速させていきたいと考えております」と述べていたと思います。
しかし、まだゲノム編集を用いた遺伝子治療用製品の実用化は実現しておりません。これまで広報ブログでは、4回に分けてエメンド社の手がけている、創薬に結びつくゲノム編集の取り組みが紹介されてきましたが、年内に5回目の紹介があると思います。これらの広報ブログでの紹介は、エメンド社が来年度に臨床入りする予定のゲノム編集治療に関して、非臨床試験の成績やゲノム編集ツールの開発について一連の学会発表をしているので、5回シリーズでの紹介だとと思います。
アンジェスの山田社長は、10月に行われた株主説明会で「エメンド社はゲノム編集の領域において次世代プラットフォーム技術を持っており、その点も考慮して、弊社は昨年エメンド社を買収いたしました。その後のエメンド社のビジネスプランについては検討を進めております。弊社としては、エメンド社のプログラムを早く成就させることが喫緊の課題であり、ゲノムの領域で、世界のトップ集団を維持できるビジネスプランを充実させて参ります」と答えています。
確かに、アンジェスはエメンドを完全子会社化したことにより、米国及びイスラエルにも拠点を置く世界的な遺伝子治療用製品の開発企業となり、世界で初めてゲノム編集プラットフォーム技術及び治療プログラムを一体として所有する企業になったと言えますが、それが価値あるものとして評価されるのは、実際に人に役立つ創薬や、治療方法を確立した時なのです。エメンドの企業価値を高め、アンジェスの株式価値の向上に繋がる事業戦略を確立して貰いたいと思います。
エメンドの米ナスダックの上場は、それからなのです。