●アンジェス(株):2022/10/30 09:00
アンジェスが今後の成長のために、エメンド社へ初めて投資を始めたのが2019年3月のことです。その後、同年12月にも出資額5000万ドル(1ドル109円換算で 54.5 億円)の追加投資を行ない、エメンド社をアンジェスの持分法適用関連会社とすることを取締役会で決議し、翌2020年1月と6月の2回に分けて2500万ドルづつ投資を行い、エメンド社を持分法適用関連会社にしています。
このことに当時、山田社長は次のようにコメントしています。
「アンジェスは、強固な資本提携を土台にエメンド社と究極の遺伝子治療であるゲノム編集の領域で世界最先端の技術を携えて世界中の患者さんの救済に努めて参ります。当社は、この技術により従来のゲノム編集技術の課題を解決し、世界のトップに躍り出ることを目指します。アンジェスはこれからも遺伝子医薬のグローバルリーダーとなるべく着実に歩を進めてまいります」と。
アンジェスのアプローチはこれで終わるものではなく2020年11月にエメンド社を完全子会社化するために買収することを取締役会で決議しています。買収金額は2億5千万米ドル(1ドル=105円換算で262億5千万円)で、買収にかかる対価を主に株式発行により充当する方法で行ったものです。そして、クロージング日(買収の実行日)については予定通り2020年12月15日に完了しています。
このエメンド社買収の意義を、IRで次のように語っています。
「今回の買収により、ゲノム編集においてエメンド社が持つ技術である OMNI ヌクレアーゼを用いた遺伝子治療用製品の実用化を加速させていきたいと考えております。この実用化には、当社の20年にわたる遺伝子治療用製品の開発経験により培われた国際的規制を踏まえた臨床開発のノウハウ、及びGMPに沿った製造管理に関するノウハウ等、商業化に必要な知見が活かされることとなります。これにより当社は、世界的な次世代ゲノム編集技術を活用した遺伝子治療用製品の開発企業となり、遺伝子疾患の治療法を飛躍的に進化させることを目指してまいります。
当社は、世界初のゲノム編集プラットフォーム技術、及び治療プログラムを一体として所有する企業となり、「遺伝子医薬のグローバルリーダー」にさらに近づいていくと考えております」と。