●アンジェス(株):2021/07/25 04:44
【NHK:NEWS WEB】7/21発信
「国産ワクチン」開発はどこまで進んだ? 何が“壁”なのか?(その3)
<では、どうすればいいのか?>
第一三共でワクチン開発の責任者を務める籔田雅之バイオロジクス本部長は、大規模臨床試験に代わる方法として「非劣性試験」という方式の試験を挙げます。
<第一三共 籔田雅之本部長>
「何万例での検証試験を実施することは現状難しい。そんな中で、数千例のレベルでの『非劣性試験』で免疫原性などを確認し、ワクチンの効果を検証していきいたいと考えている。ワクチンを打つことで新型コロナウイルスを防御する抗体がきちんとできている、先行のワクチンと差がないというようなデータを取って認めてもらう」と。
<日本でもできる「非劣性試験」とは?>
「非劣性試験」とは、いったいどういう試験なのか。「非劣性試験」で比較するのは、「開発中のワクチンを接種したグループ」と、「すでに実用化されているワクチンを接種したグループ」となります。
この2つのグループで、ウイルスの働きを抑える中和抗体の数値などを比較し、開発中のワクチンが実用化されているワクチンと比べても遜色がないことを確認することで、効果や安全性などを確認することができるというものです。
この方法であれば、「偽薬」を接種する必要がありません。
ただ、実際にこの方法で臨床試験を行うためには、国が認める必要があるほか、国際的にもこの方法で行った臨床試験の結果が認められる必要があります。
<最終段階の臨床試験 各社はどう対応?>
大規模臨床試験が難しいという課題を抱えているのは、ほかの製薬メーカーも同じです。各社とも、最終段階の臨床試験をどのように行うのか、検討を進めている。