●アンジェス(株):2021/07/25 04:43
【NHK:NEWS WEB】7/21発信
「国産ワクチン」開発はどこまで進んだ? 何が“壁”なのか?(その4)
塩野義製薬の手代木功社長は、ことし6月のNHKの取材に対し、臨床試験のあり方については、国の方針を踏まえて検討していくとした上で、次のように話していました。
<塩野義製薬 手代木功社長>
「例えば2000人や3000人などで安全性を確認しながら、中和抗体や細胞性免疫がファイザーやモデルナのワクチンと遜色がないことを確認する。さらに、実際に使用が始まったあとも年単位でデータを積み上げていく」と。
「非劣性試験」などの形で最終段階の臨床試験を行った上で、実際にワクチンが使用されるようになってからも、効果が出ているかや予想外の副反応がないかなど、全例を確認する体制を敷く方向で準備を進めているといいます。
◆KMバイオロジクス
KMバイオロジクスは、医薬品の審査を行うPMDA=医薬品医療機器総合機構と協議中だとした上で、「非劣性試験」の形で確認するのがベストではないかと考えているとしています。
会社では今後の変異ウイルスに対応するために、標準的な製造方法や品質管理の方法自体の承認を事前に受けることで、迅速に新たなワクチン開発ができる「プロトタイプワクチン」というやり方で承認を目指すといいます。
2022年夏には承認を申請し、遅くとも2023年度中の実用化を目指す考えです。
◆アンジェス
アンジェスも、大規模な臨床試験をどのような形で行うべきなのか、PMDAなどの国際的な議論の動向を踏まえて検討したいとしています。
海外では「非劣性試験」採用のメーカーも後発でワクチン開発を進める海外の製薬メーカーでは、すでに「非劣性試験」を採用するところも出てきています。
このうちの1つ、フランスのバルネバ社は、開発中のワクチンについて「非劣性試験」を実施すると発表しました。
およそ2000人が開発中のワクチンを、およそ1000人がアストラゼネカのワクチンの投与を受けるということで、2回接種してから2週間後の中和抗体の値を比較するといいます。