●アンジェス(株):2021/07/13 09:32
森下教授は6月3日~4日にかけて開催された、日本医療研究開発機構の報告会と、6月9日開いた記者会見で大阪大学医学部附属病院で実施された治験内容の一部を報告しています。
それによると、大阪大学のP1/2試験結果では、AG0302の中和抗体陽転率は、2mg・4週間隔・2回投与で60%、2mg・2週間隔・3回投与では70%で、国産ワクチンで初の免疫原性が確認されたと報告しています。この治験結果については、森下教授もファイザー社のワクチンと比べると抗体陽転率は下回るが、アストラゼネカ製ワクチンと同等の有効率が期待ができると話しています。
ところで、アンジェスの500名規模で行われた第2/3相臨床試験では、大阪大学医学部附属病院で実施された2mg・2週間隔・3回投与では70%の抗体陽転率示した治験ケースは取り入れられず、2mg・4週間隔・2回投与で60%のケースを採用しています。
理由としては、海外ワクチンは2回接種なのに、3回も接種する煩わしさわを避けたのだと思います。では2mg・2週間隔・3回投与を2回投与にして、接種量を3mgにして2回投与は検討できなかったのか。ファイザーワクチンの接種量は1回 0.3 mLを合計2回、モデルナワクチンの接種量は1回 0.5 mLを合計2回、アストラゼネカワクチン社の接種量は0.5mLで2回接種となっています。
理由として考えられるのは、接種量を2㎎とし2回接種としたのは、抗体陽転率以外にも、2mg・4週間隔・2回投与で、液性免疫反応は70%、細胞性免疫反応は90%、総合免疫反応 (液性と細胞性の両方またはいずれか一方)は90%であったこと、細胞性免疫反応は90%、総合免疫反応(液性と細胞性の両方またはいずれか一方)は100%であったことが確認され自信を持っているのか、または同時並行的に取り組んでいる大阪大学医学部附属病院で実施している朝野教授を責任者とする無針デバイス(アクトランザラボ)を活用したDNAワクチンの有効性を高める医師主導の治験に自信をもっていることが背景にあっての判断だと思います。
いずれ年内を期限とする治験なので秋までには中間治験報告が出ると思います。
なお、アンジェスは「WHOが推奨する国際基準に沿った分析」を早急に進めてもらいたいと思います。