●アンジェス(株):2021/06/01 17:34
【日本経済新聞:夕刊】
国産ワクチン開発を強化
........政府新戦略、承認も迅速に!!.......
政府は1日、ワクチン開発・生産体制を強化する戦略を閣議で決めた。国産ワクチンの研究開発支援や薬事承認の迅速化を進め、新たな感染症の大流行などの有事に備える。戦略は2日に開かれる首脳級の「COVAX(コバックス)ワクチンサミット」で示す。
菅義偉首相は1日、閣議前に開いて戦略をとりまとめた健康・医療戦略推進本部会合で「ワクチンを国内で開発・生産し、速やかに接種できる体制の確立を急ぐことが危機管理上、極めて重要だ」と述べた。
日本は新型コロナウイルスワクチンの開発や承認で欧米に後れを取った。その反省も生かし、国内でのワクチン開発・生産能力の強化を巡り、外交や安全保障の観点からの重要性も認め、長期的な国家戦略をまとめた。
国産ワクチンの開発では、人材や設備、産学連携の不足を課題に挙げた。新戦略は世界でも高い水準の研究開発拠点を国内につくり、創薬スタートアップがリスクの高い臨床試験に踏み出せるよう支援するなど、研究開発力の向上を目指す。
ワクチン製造が可能な医薬品の製造施設を整備するほか、感染症の発生時に国がワクチンを買い上げる仕組みなどを検討し産業育成につなげる。
新型コロナワクチンの国産技術が乏しい中、日本は海外製ワクチンの承認にも時間がかかった。海外での大規模な治験とは別に、国内での治験データも求めたのが要因の一つだ。この教訓を踏まえ、薬事承認プロセスを迅速化する。緊急時にワクチンの使用を特例的に認める制度の在り方を検討する。国内での治験体制の拡充に加え、アジア地域での治験ネットワークも充実させる。
薬事承認の規制についての国際的な合意形成や、ワクチンを途上国などに分配する枠組み「COVAX」を通じた海外貢献にも重点を置く。
【閣議決定したワクチン戦略のポイント】
▪ 世界トップレベルの研究開発拠点を整備。戦略的に研究費を配分
▪ 製造拠点を整備、創薬スタートアップの支援も
ワクチンの買い上げの仕組みも検討
▪ 緊急時にワクチン使用を認める制度の在り方を検討するなど
承認プロセスを迅速化
▪ 国内やアジアでの治験体制を構築。後発の新型コロナワクチンの
治験推進も支援
▪ COVAXなどを通じた海外貢献