●アンジェス(株):2021/05/09 11:26
インドは昨年9月に第1波に見舞われ、1日当たりの新規感染者数が10万人近くまで増加したが、ワクチン接種が始まったこともあり、今年2月中旬には1万人ほどに減少。ところが、3月から感染爆発に襲われ、あれよあれよと感染者は増え続け、4月5日に初めて10万人を突破すると、15日には20万人に達し、22日から連日30万人を超えている。わずか2カ月の間に感染者は30倍である。
インドはワクチンの「製造大国」だ。それでも感染爆発は収まらないのだから恐ろしい。専門家は「二重変異株」が急拡大の要因と指摘している。
その闘いの真っただ中、追い打ちをかけるように現れたのが「三重変異株」だ。
インドメディアによると現地の研究者らは「三重変異株」を「ベンガル株」と命名。「二重変異株」から進化したとみられており、4つの州から集めた検体から2件確認されたという。
気になるのは、感染力やワクチンへの影響だ。
カナダのマギル大教授のマドカフ・パイ氏(疫学)は「三重変異株」について、現地メディア(NDTV)の取材に、「さらに感染力のある変異株です。とても速いスピードで多くの人に感染している」と指摘。免疫を回避する可能性を念頭に、「ワクチンを調整し続けなければならない。そのためには、この病気を理解しなければならないが、闘いながら分析する必要がある」と、警鐘を鳴らしている。
いったい、どこまで変異を続けるのか。西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏(感染症学)が言う。
「ウイルスが変異するのは当然ですが、新型コロナほど変異しやすいウイルスは人類史上初めてではないか。無症状で感染を広げる“巧妙さ”もある。多くの人が感染すればするほど変異の確率は高まるので、感染拡大を抑えない限り、どんどん変異していくでしょう」と。
日本でも22日、「二重変異株」が国内で5件確認されていることが判明したばかり。「三重変異株」の怖さは未知数だ。注意しても、し過ぎることはないが、日本に上陸するのはもう秒読みかもしれない。
人間の生存にとって、仕事や働くことは必要不可欠なことです。感染防止対策は重要な対策であるが、それだけではウイルスに勝ったことにはならない。
ワクチン開発を含めて、人類は変異株に勝てるのか。