●アンジェス(株):2020/02/23 07:04
2月17日、アンジェスは第三者割当の新株予約権による増資を発表しました。その新株予約権の総数は1600万株で、資金調達額は93億6712万円を目標とするものです。
当然、第三者割当の新株予約権による資金調達は株価の希薄化を招くものであり、1600万株もの新株予約券のの発行による潜在的な希薄化は14.96%となります。
したがって翌18日にはそれを嫌い、警戒感からマイナス100円のストップ安となり株価終値が462円となりました。
確かにアンジェスは黒字化の目標を掲げたことは、前回以外にもあったと思います。それは長い間の株主の期待であると同時に、企業運営に当たる経営陣にとっても、いずれは増資枠は無限ではないので、増資依存体質の転換は必要なテーマなのです。
仮に増資の必要な場合でも、自らも身を切る企業改革の姿勢は必要です。株主に真摯に向き合う姿勢が見られない場合は、安易な増資手法としてしか理解されず、結果として過去に幾多のホルダーが期待を裏切られたとの思いからアンジェスを去った人も決して少ない人ではないと思います。
それを株主の自己責任としてのみ片づけ、痛痒にも感じないとすれば、それは株主と向き合う良き経営者とは言えないと思います。
増資発表の翌日、株価もマイナス100円のストップ安となったが、これは株主の損失だけではなく企業価値のバロメーターである時価総額も一日にして約107億円の減少となったのです。こうした事態を放置すれば、増資目標額の確保も達成できず、企業にとっても損失になるのです。
したがって、増資の必要があれば一般的でありきたりな必要性だけではなく、なぜこの局面での増資なのか。例えばエメンドへの2回目以降の増資では、資金に余裕がなくなり、追い込まれての増資を避けるためであるとか、また株価の希薄化を埋め合わせる開発パイプラインが陽の目を見るよう懸命に努力するので、しばらく耐えてほしいとのメッセージ性を打ち出す企業姿勢が必要だと思います。
そうした企業姿勢が見えれば、株価への影響は避けられないとしても、良し分かったと了解を得ることも可能であると思います。