●アンジェス(株):2023/03/02 08:50
2022年10月に、キャンター・フィッツジェラルドを割当先とする第42回新株予約権の行使について3月1日のIRで、2023年2月分までの月間行使状況が報告されました。それによると2月22日までに行使された新株予約権の行使株数は累計で3335万株(行使率87.76%)で、残る未行使分は465万株となっています。なお、これまでの行使による累計資金調達額は45億540万円となっており、第42回新株予約権の行使による当初価額224円で計算した資金調達目標額の85億1200万円から見ると、まだ、465万株の未行使分があるとは言え、現段階では40億660万円が調達不足になっています。
こうした、第42回新株予約権の行使状況もあり、2月10日に発表された2022年12月期決算短信では、「今後も研究開発活動推進及び企業活動維持のために必要となる資金調達の可能性を適宜検討してまいりますとしつつも、現時点においては、アンジェスの開発プロジェクトを継続的に進めるための資金調達の方法、調達金額、調達時期については確定しておらず、継続企業の前提に関する重要な不確実性が存在していると判断しております。」と、記載するに至ったのだと思います。
確かに、第42回新株予約権の募集時期は、2022年9月26日の発表ということもあり、2022年9月7日に武漢型新型コロナワクチンの開発中止と、HGF遺伝子治療用製品の慢性動脈閉塞症における安静時疼痛の適応追加に向けた国内開発の中止を同時に発表した直後でもあり、株価的には新株予約権による資金調達目標額の算定基礎となっている当初価額224円より更に下落する中での取り組みになることは、アンジェスの経営陣も予測できたことではあったと思います。
したがって、昨日3月1日にIRで発表された第42回新株予約権の行使については、未行使分の465万株を下限行使価額の124円を最低限維持しつつ行使し、不足調達額については42回新株予約権の行使完了以降に検討すべきだと思います。なお、この局面で最も重視すべき取り組みは、2022年12月期決算短信で発表したHGF遺伝子治療用製品コラテジェンについて「2023年春に予定している本承認に向けた申請の準備を進めております」という取り組みをやりきることではないかと思います。