●アンジェス(株):2024/03/05 08:30
慢性椎間板性腰痛症を対象とした治療用NF-κBデコイオリゴDNA(AMG0103)による国内第2相臨床試験が本格化しつつありますが、それに先立つ臨床試験が後期第1相臨床試験として米国で実施され、2021年4月にトップラインデータとして発表されています。
米国での臨床試験の対象患者は32~70歳(平均年齢:53.5 歳)の慢性椎間板性腰痛症患者の男女25症例ですが、治験結果については投与後の観察期間6ケ月間に続き、12ヵ月間の観察期間を通して重篤な有害事象は認められず、高い安全性を示し、有効性についてもデータを分析評価したところ、投与早期に腰痛は大幅に軽減し、腰痛の抑制は投与12ヵ月後まで継続したことが確認されています。また、患者自身からも高い満足度が得られたことが報告されています。
治験結果については、カリフォルニア大学サンディエゴ校の治験担当医師からも「椎間板起因の腰痛に苦しむ患者さんに対して、大幅な痛みの軽減効果とその持続期間を素晴らしい結果と受け止めており、画期的な治療を提供する可能性を秘めていると考えます」とのコメントが得られています。また、アンジェスの山田社長は「今回の臨床試験を進めるにあたり、患者、研究者、治験担当者、そのスタッフの皆様の熱意に心から感謝します。我々は、今回の結果を確認するために臨床試験をさらに進め、世界の他の規制当局からの販売承認取得を検討する予定である」と語っています。
こうした結果を受けアンジェスは、2023年1月に、国内での第2相臨床試験の実施を決定し、続く3月には国内第2相臨床試験への協力に関する塩野義製薬との契約締結を発表しています。国内における取組は92症例のうち最初の2例で20.0mgの安全性試験を行い、昨年11月に独立データ安全性モニタリング委員会から安全性及び忍容性が確認されたことで、今後は10mg群、20mg群、プラセボ群の3群での比較試験を実施することになります。
慢性椎間板性腰痛症を対象と国内第2相臨床試験の実施にあたっては、東海大学医学部付属病院、順天堂医院、神戸大学医学部附属病院、NTT東日本関東病院、日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院をはじめ全国17カ所の医療機関の協力を得て実施していくとのことです。